一意専心の意味
「一意専心」とは「いちいせんしん」と読み他のことに心を動かさず、一つのことに心を集中させることという意味です。「一意」とは一つのことで、「専心」とは心を一つのものごとに集中するようすをのことを言います。「専心一意」ともいいます。
例えば、集中しているといつの間にか時間が経っていたという経験をしたことはないでしょうか。その体験がつまり「一意専心」しているです。何も聞こえなくなるほど集中していたり、運動でいえばスローモーションのように感じているときの状態で、真剣なようすのことをいいます。
この言葉の出典は、紀元前7世紀の中国春明時代に活躍した、斉の政治家である管仲の思想をまとめた「管子」です。管仲は諸葛孔明も尊敬した軍師でもあります。
一意専心の使い方
例えば、新しい部署に異動したときの挨拶の際に「これから、この~(配属先など)で一意専心、仕事に取り組でいきます」と言うと、好感度があがり、信頼感もわくことでしょう。以前相撲界で活躍していた若乃花は大関昇進のとき、「一意専心の気持ちを忘れず相撲道に精進します」と口上しました。
使用例)
- あなたはもっと一意専心して物事に取り組まなければならないよ。
- 一つの目標を掲げ一意専心します。
- 将来のために今は一意専心になることが必要だ。
一意専心の類語と対義語
普通は四字熟語で表現しないことでも、四字熟語に置き換えることで刺激が与えられたり、言葉に深みが出てくることがあります。
類義語
・一心不乱
一つのことに集中して、他のことのために心の乱れることがないこと。「一心不乱に勉強し目標を達成した。」
・猪突猛進
目標に対して、向こう見ずに突き進むこと。「猪突猛進タイプで一つことに集中すると他が見えなくなる。」
他にはひた向き・一生懸命・精一杯・「~熱心」(勉強熱心や教育熱心など)・馬車馬・脇目もふらず・打ち込む ・浸食を忘れるなどの類語があります。
対義語
・狐疑逡巡(こぎしゅんじゅん)
疑いすぎて優柔不断なこと。決断がなかなかできないこと。
・右顧左眄(うこさべん)
周りの意見や反応を気にしてなかなか決断できないこと。
他にはズボラ・適当・無責任・怠慢・面倒くさがり・だらしのないなどがあります。
一意専心の英語
英語では一意専心のことを「uniquedevotion」「single-mindedly」「wholeheartedly」と翻訳されます。
例)•一意専心、誠心誠意
with singlness of purpose
例)•誠実に、ひたむきに、一意専心
with a singiess of purpose
例)心を込めて、一意専心
with one’s whole heart
一意専心と日本料理
兵庫県の姫路にある日本料理屋では「一意専心」をお店の名前にしています。お客様に笑顔になっていただくことを何より大切にしているそのお店は、景観や夜景がきれいな場所に佇み、厳選した旬の食材、独創性に富んだ創作料理、特注の丹波立抗焼の器でお客様をおもてなししています。
オープンキッチンではライブ感たっぷりの料理のパフォーマンスも楽しめるそうです。お客様と料理に一途であり続けたいという思いからお店の名前を「一意専心」にしたとあります。職人の、まさに「一意専心」を感じられるお店。特別な日に訪れたいお店ですね。