「清濁」とは?意味や使い方をご紹介

「清濁」という言葉を耳にする機会はあまりないかと思いますが、「清濁併せ吞む」という表現は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。今回は、そんな「清濁」という言葉の意味と使い方を「清濁併せ吞む」の正しい使い方と併せて紹介していきます。

目次

  1. 清濁の意味
  2. 清濁併せ吞むとは?
  3. 「清濁併せ吞む」の誤用
  4. 清濁の類語・対義語
  5. 「清濁併せ呑む」の英語表現

清濁の意味

清濁とは、言葉の字面からもわかるように、「清いこと・澄んでいること」と「濁っていること」という意味を持ちます。その言葉から連想して比喩的に用いられると「正と邪」、「善と悪」、「賢人と愚人」という意味も表します

また、「清音」と「濁音」という意味も存在します。清音とは、日本語の音節のうち濁点も半濁点も付かない音を指します。具体的に言えば"を"を抜いた「あ~わ」の44個の仮名表記の基本となる五十音が主に該当します。

一方「濁音」は、それらの清音の一部に濁点を付けたものがこれに該当します。例えば「が行」や「ざ行」などです。また、「ぎゃ」などのように、その濁点を付けた発音に小さな仮名を付けた拗音を含むこともあります。

清濁併せ吞むとは?

清濁と言えばこの「清濁併せ吞む」という言葉が頭に浮かぶと思います。この言葉の意味は、「善・悪のわけへだてをせず、来るがままに受け入れること」「度量の大きいこと」というものです。つまり「清濁併せ吞む人」というのは、「善悪関係なく受け入れる人間」「度量の大きい人間」という意味なのです。

「清濁併せ吞む」の誤用

「清濁併せ吞む」について、まず、「善心と悪心」を併せ持つという意味で捉えるのは誤りです。清濁とはあくまで自分のことではなく、自らに降りかかってくる「善と悪」なのです。自らに降りかかる「善と悪」を併せ吞むからこそ、この言葉が成り立つのです。

また、清酒と濁酒のことも「清濁」と言いますが、酒なら清酒も濁酒も気にせずなんでも飲むという意味ではありません。「清濁併せ吞む」はお酒とは全く関係がありませんし、自分の好き嫌いではなく、心の広さを表すのです。

清濁の類語・対義語

清濁とは先にも記した通り「清いこと」と「濁っていること」を示しますので、「清いこと」の類義語としては「純白」や「純真」、「純粋」、「純潔」、「清白」「潔白」などの言葉が挙げられます。どちらにせよ「純粋なこと」や「欠点がないさま」というような意味を持つ言葉が多いです。

一方「濁っている」の類義語としては「くすんでいる」「汚れている」といった言葉が当てはまります。「液体や気体に他の物質がまじって透明でなくなるさま」を示しており、もちろん「清いこと」とは全く反対の言葉がここに該当します。

「清濁併せ吞む」の類表現

「清濁併せ呑む」の類表現としては「来る者は拒まず」という言葉が該当します。「向うから自分のところにやって来るものは誰でも拒むことなく快く受け入れる」という意味で、「清濁併せ吞む」に似て「相手の人間性が清くても濁っていても受け入れる」ということを指します。

「清濁併せ呑む」の英語表現

「清濁併せ呑む」を英語で表すと、"to tolerate the good and evil elements"という言葉になります。"tolerate"は「許容する」「尊大に取り扱う」という意味、"good and evil elements"は「善い要素と邪悪な要素」という意味です。日本語に直訳すると「善い要素と邪悪な要素を両方許容する」となりますので、「清濁併せ吞む」という言葉に近い言葉といえます。


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