「圧巻」とは?意味や使い方をご紹介

「圧巻」は褒める時の意味で使うということはご存じの方も多いでしょう。しかし、「圧巻」の由来や詳しい意味についてはよく分からないのではないでしょうか。例文を記載して使い方を紹介します。他に間違えやすい使い方や類語についても記載します。

目次

  1. 「圧巻」の意味とは?
  2. 「圧巻」の使い方と例文
  3. 「圧巻」との意味の違いについて
  4. 「圧巻」の類語

「圧巻」の意味とは?

「圧巻」(読み:あっかん)の意味は、書物の中で最も優秀な文学作品(詩や文章)や、書籍の中で一番優れている場面などのことです。その意味から派生して、競技や催し物の中で最も良い部分や見所を指すようになりました。

現在はどちらかと言うと、競技や催し物で最も良い部分や、他に追随を許さない素晴らしい見所という意味で使われていることが多いです。

「圧巻」の由来

「圧巻」の由来は、中国の役人を登用するための試験「科挙(読み:かきょ)」から来ています。「圧巻」の「圧」は上に載せて押さえることを言います。「巻」は科挙の答案です。

科挙の審査の担当者が、最も成績が優秀な人の答案を最上部に載せたことが由来になっています。答案は詩文であったことから、書物の中で最も優秀な漢詩の文を圧巻と呼ぶようになりました。時代が下るにつれて、書物や書籍以外にも使われるようになりました。

「圧巻」の使い方と例文

書物の中で最も優れた部分だと褒める場合にはこのように使います。

  • 『そして誰もいなくなった』の、最終部分で真相が明かされるエピローグは圧巻だ。
  • 『三国志演義』の圧巻の場面は、「赤壁の戦い」です。

競技や催し物で他の追随を許さない素晴らしさを表す場合の使い方を紹介します。
  • 金メダルを受賞した選手は、圧巻の演技をした。
  • 世界一に選ばれたダンサーは圧巻のパフォーマンスで聴衆を魅了した。

「圧巻」との意味の違いについて

「圧巻」と意味を間違いやすい熟語を2例紹介します。

「圧倒」との違い

「圧巻」は最も優れているといった意味で使います。一方、「圧倒」(読み:あっとう)は少し意味合いが違います。「圧倒」とは、他とは比べものにならない程の強い力で、相手を打ち負かすことです。

  • オーケストラの金管楽器の音に圧倒された。
  • A社は他を圧倒する勢いで業績を伸ばしている。
「圧巻」が身に付けた能力や才能で、どの相手よりも最も優位に立つことを表すのに対し、「圧倒」は力を使って周囲を押さえつけて、段違いで勝つ意味合いが強くなります。「最も優れる」とか「1番」という意味は入っていません。あくまで「周りよりも強い」ということでしょう。

「壮観」との違い

「壮観」(読み:そうかん)の意味は、規模が非常に大きく、素晴らしい眺望であることです。壮大な景色を見た時に使います。「圧巻」とは全く意味が違いますが、景色を眺めた時に同じような意味で使われていることがあります。

  • こちらの宿から見た富士山の景色は壮観だ。
  • こちらの宿から見た富士山の景色は圧巻だ。
「壮観」の方は、単に宿の部屋から見た富士山の景色がスケールが大きく素晴らしい眺めであると褒めているに過ぎません。他にも素晴らしい眺めの場所が存在することになります。一方「圧巻」は、今まで見た中で最も素晴らしい景色だという意味となり、他と比べものにならないことを表しています。

パフォーマンスや競技を見て「壮観な演技である。」というように使っている場合は、演技を景色に例えて「(眺望の良い景色のように)素晴らしい演技である。」ということを表しています。見栄えの良さや素晴らしさを褒めてはいますが、1番良いという最上級の褒め言葉の意味は含まれていません。

「圧巻」の類語

圧巻の類語に「随一」(読み:ずいいち)があります。「随一」は、同類の中にある物の中で一番の物、ランキングが第一位にあたる人や物を指します。

  • Bさんは同期の中で、随一の存在だと言われています。
  • 今年度のコンクールでノミネートされた作品中、随一の出来映えです。

「天下一品」(読み:天下一品)という四字熟語もあります。意味は、他に比べられる物がないくらい、抜きん出て優れていることです。
  • こちらの商品の性能は天下一品です。
  • 天下一品と呼び声の高い寝具を扱うことになりました。


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