「縁の下」の意味
「縁の下」は「えんのした」と呼び、床下や縁側の下のことを言います。縁とは日本家屋では建物の外周部分に張り出している板敷きの通路のことですが、その下のことです。縁側を支えるために、頑丈な柱を用い、しっかりとした束石を土台にして作られています。
「縁」という字は人との「縁」でも使います。昔は縁側で、ご近所の方々とのお茶会やひなたぼっこなど、憩いの場としても使われていたように、共通する言葉の響きがあります。又、昔の家の縁の下は空間が多く、風通しが良いので湿気から家を守る役目もありましたが、現在は建売住宅などのように、通風口や床下換気扇などを取り付けたりして、基礎や土台の部分はあまり目につかないようになっています。
「縁の下」を使った言葉
「縁の下」という言葉は文字通り縁の下なので、目立たない、頭につかえるような印象があります。その言葉を使った様々な言い方があります。
縁の下の力持ち
「縁の下の力持ち」は目立たないところで、他人や周囲のために働き、骨を折って仕事をしてくれる人物を表しています。目立たないけれどもなくてはならない存在といった感じです。
同じような意味を持つ言葉として、
- 縁の下を支える
- 陰で支える
- 内助の功
縁の下の鍬使い
実際に「縁の下」では鍬を振り上げてつかえないので、鍬使いであっても、役に立たないというたとえです。使えない、頭があがらないこと、窮屈で働きにくいことを意味します。
縁の下の筍
「縁の下」に筍がはえても、頭が使えてそこからさきに伸びないということで、頭がつかえて出世できない、うだつが上がらない人のことを言います。
縁の下の掃除番
見えないところで、人知れず掃除をしてくれていつも清潔な状態を保っていてくれる人のことをいいます。
「縁の下」から連想する言葉
「縁の下」は比較的、人目につきにくいことからこのような言葉がイメージとして浮かびます。
- マイナーな
- 報われない
- 誰の目にもとまらない
- 陰に回る
- 脚光を浴びることがない
様々な「縁」
縁側にも様々な様式があります。
- 「濡れ縁」 雨戸の外側の軒下に作られている雨ざらしの縁側のことです。縁側と直角に板を張ることが多く、この方法は「切れ目縁」ともいいます。
- 「くれ縁」 雨戸などの内側にある縁側のことで雨に濡れないようにして、風や光を調整できます。
- 「落ち縁」 縁側より一段低い位置にもうけたものをいいます。
最近でいいますと、ウッドデッキのような建物の前に一段高く設置される木製のテラスなどが一般的になりました。