「災い」とは?
「災い」には「病気、天災、盗難といった人に不幸をもたらすものごと、またその結果である不幸な出来事」「災厄、災難」を指す意味と、「不快であること」、「嫌なこと」を表す意味があります。
「わざ」には「隠された神の意図」の意味があり、人の過ちに対する神様からの罰、つまり天罰のようなことを表しています。「わい」はものごとが広まっていく様子を示す言葉です。そのため「災い」には「天から与えられた不幸」という意味合いがあります。
「災い」の使い方
「災い」は不幸な出来事を指して使われる言葉ですが、上記で説明したようにその不幸に神様が関わっているイメージが強く、「不幸な出来事を神様のせいにする時」や「理不尽な不幸に対し神様に不満を述べる時」などにも使われます。また「あることが原因となって悪い結果を招くこと」を「災いする」と言います。
- 幸せだった一家に突然災いが振りかかった。稼ぎ柱であった父親が急にリストラされたのだ。
- 昨日夜遅くまで仕事をしていたことが災いして、すっかり体調を崩してしまった。
- 彼の思いつきでとった行動が災いを招いた。
「災い」の英語表現
「災い」を英語で表すと"misfortune"となります。「不幸な出来事」や「災難」を意味する単語です。「災いを招く」は"ask for trouble"と表します。
- "He suffered a misfortune" 「彼に災いが起きた」
- "Ask for trouble if you behave like that" 「そんな振る舞いをしていると災いを招く」
「災い(禍)」が使われる言葉
「災い(禍)を転じて福となす」
「災い(禍)を転じて福となす」とは「身に降りかかった災難を逆手にとって、それが自分に有利になるように取りはからう」、「厄介ごとが一転して幸せの種に転じる」という意味のことわざです。
失敗から思わぬ成果を出すといった状況に使われます。中国の史書の『戦国策』にある「聖人の事を制するや、禍を転じて福と為し、敗に因りて功を成す」という一節が由来になっています。
- 目の病気になり画風が変わってしまったが、斬新な絵であるとかえって人気が出た。災い転じて福となすとはこのことだ。
- いつまでも不幸を嘆いてばかりいないで、災い転じて福となすような手段を考えるべきだ。
「災いも三年置けば用に立つ」
「災いも三年置けば用に立つ」とは「わざわいも時が経てば、幸いの糸口になることがある」という意味の慣用句です。世の中に役に立たないものはないという例えとしても使われます。
- あのとき怪我をして部活を辞めたおかげで勉強に専念することができ、大学に合格することができた。災いも三年置けば用に立つだ。
- 災いも三年置けば用に立つ。落ち込まずに前向きに考えるのが大切だ。
「口は災い(禍)の角」
「口は災い(禍)の角」とは「何気なく言った言葉が災難を招くことがあるので、話すことには十分に注意せよ」という意味のことわざです。
不要な発言が身を滅ぼす結果を招くことがあります。「口は災いの角」はそんな災いを招かないように、うかつに言葉を発するべきではないという戒めの言葉です。
『古今事文類集・後集』にある馮道(ふうどう)の「舌」の詩に「口は是れ禍の門、舌は是れ身を斬るの刀なり」とあるのが由来になっています。
- 余計なことを言ったせいで彼女を怒らせてしまい、振られてしまった。口は災いの元だ。
- 口は災いの元で、自分の言った一言が周りの反感を買い、孤立してしまった。