「ワンオペ」とは?意味や使い方をご紹介

「ワンオペ」という言葉をご存じでしょうか。ここ数年で社会問題としても取り上げられているこの言葉。あなたの周りでも「ワンオペ」状態になって助けを求めている人がいるかもしれません。そんな「ワンオペ」の意味や使い方について紹介していきます。

目次

  1. 「ワンオペ」の意味
  2. 「ワンオペ」が話題となった事例
  3. 「ワンオペ」の派生語

「ワンオペ」の意味

「ワンオペ」とは「ワンオペレーション(one operation)」の略語です。ワン(=一人)オペレーション(=作業)を合わせた和製英語です。

主に飲食店やコンビニなどの24時間営業を行っているお店で、人手が少ない時間帯に「一人の従業員ですべての作業を行うこと」を指す言葉として使われています。

一般的には接客や配膳などのフロア業務と、清掃や品出しなどのバックヤード業務は複数人で役割分担をしながら行います。しかし、「ワンオペ」状態ではフロア業務とバックヤード業務を同時に一人で行わなければなりません。

「ワンオペ」は業務量がただ単に増えるだけでなく、業務が非常に煩雑となるため作業効率が低下してしまう事も問題点の一つとして挙げられます。

また、飲食店以外の事でも人ですべての作業を行う場合に「ワンオペ●●」として様々な派生語が誕生しています。

「ワンオペ」が話題となった事例

2014年に大手牛丼チェーン「すき屋」の大多数の店舗が深夜時間帯に「ワンオペ」状態になっており、過酷な勤務体系であることから「ブラック企業」なのではないかと報道されました。

「ワンオペ」が原因として以下の問題点が報告されています。

  1. 休憩する時間がなく、トイレにも行けない
  2. 深夜帯(ワンオペ時)の強盗事件が多発している
  3. 商品の提供時間や品質に問題が生じている
  4. 食べ終わった食器類を下膳せずにテーブルに放置している
  5. お客さんの来店時に出てこない(スタッフが激務のため居眠りをしていた)

以上の問題点が浮き彫りとなり、労働基準監督署から是正勧告を受けています。

「ワンオペ」は違法?

「ワンオペ」自体は違法ではありません。しかし、業務が6時間を超える場合には45分以上の休憩時間をとらなければならないと労働基準法に記載されています。

休憩中にお客さんや電話の対応に追われた場合、指定された休憩時間を確保することができていたかという判断が曖昧となるため、違法性が問われる可能性があります。

「ワンオペ」の派生語

「ワンオペ」は飲食店などの営業形態についての問題として話題となりましたが、現代社会の大きな問題として「ワンオペ育児」が挙げられているため紹介します。

「ワンオペ育児」とは

「ワンオペ育児」と聞くと育児を一人で行わなければならない状態と思われがちですが、育児に加えて仕事や家事をすべて一人で行うことも含まれます。

諸外国と比較して日本の男性は育児や家事に関わる時間が短いというデータがインターネットやメディアで報道されており、「ワンオペ育児」は主に母親が陥りやすい傾向にあります。

「ワンオペ育児」となる原因にはパートナーの単身赴任や病気が多いですが、男は外で働いて女は家を守るという風潮から男性の育児怠慢が起こす意識の問題や、家族や親戚から離れて都心部などへ移住する核家族化という社会的な問題まで様々な原因があるといわれています。

先ほど「ワンオペ」の違法性について少し触れていますが、育児の場合は子どもの都合で動かなければならない事も多く、休息時間を厳密に確保する事は困難です。

また、育児のみならず仕事や家事を同時に一人で行う事で、24時間休憩する時間がないという方も多くいらっしゃいます。

「ワンオペ育児」の弊害

「ワンオペ育児」は身体的に過酷なのはもちろんですが、すべて一人で行う事に対する孤独感や社会からの疎外感も強く感じるため精神的にも負担が強くなります。

そのため「ワンオペ育児」状態が長く続くと鬱っぽくなってしまい、育児のみならず今まで出来ていた仕事や家事も十分に行えなくなる方も多くいます。

そのような状態では家庭が壊れてしまいますので、「ワンオペ育児」を未然に防ぐためにもパートナーと十分に話し合い、育児に対して積極的に参加する男性(通称:イクメン)が増える事が期待されています。

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