「喝采」の読み方
まず「喝采」は、「かっさい」と読みます。「喝」の字は音読みで、「かつ」とも読みます。「喝」も「采」も、表外を除いた訓読みはありません。「采」の字に関しては、たまに名前にも使われています。
「喝采」の意味
「喝采」とは、大きな声を上げたり手を叩いたりして、何かを褒め立てることです。また、その声を表します。
「喝」の字は、大声を出すなどの意味を持っています。一方で「采」の字は、良材を選ぶ、美しい彩りなどの意味を持っています。
よってこの言葉は異なる意味の字の組み合わせであり、「美しいと思ったり良いと思うものに、大声を上げる」というような意味を含んでいます。
「喝采」の使い方
前述の通り「喝采」は大声を上げたりして、何かを褒め立てる様子を指して使われますが、あくまでも様子を表す熟語なので、「喝采」自体は褒め言葉ではありません。
たとえば「皆さん、彼を喝采しましょう!」と使えば、「皆さん、大声を上げて彼を褒め立てましょう!」といった意味合いになります。
また「すごい喝采ですね」と使えば、「周りが大声を上げたりして、誰かを褒め立てている。その様子がすごい」と伝わります。
「喝采」の例文
- 「世紀の大発見をした研究者が表彰され、壇上で喝采を浴びる」
- 「ゲストとして有名なミュージシャンが登場し、客たちが喝采する」
- 「この喝采を見るに、彼女の人気は凄まじいのだろうな」
「喝采」を含む四字熟語
「喝采」を含む四字熟語としては、「拍手喝采」が挙げられます。
「拍手喝采」について
「拍手喝采」は「はくしゅかっさい」と読み、手を叩きながら、大声で褒め立てることを表します。「喝采」は必ずしも手を叩くとは限りませんが、「拍手喝采」の場合は「拍手」が入っているので、手を叩くことを強調しています。
よって褒める程度としては、「拍手喝采」の方が強いです。「喝采を浴びる」だと単に「大声で褒め立てられること」も表しますが、「拍手喝采を浴びる」の場合は、「手を叩かれながら、大声で褒め立てられる」と程度の強さが伝わります。
「喝采」の類義語
「喝采」の類義語には、「歓声」、「称揚」、「謳歌」などがあります。
「歓声」について
「歓声」は「かんせい」と読み、喜びを抑え切れずに叫ぶ、大声のことです。この言葉は「相手を褒める」というより、「自分が喜ぶ」のニュアンスが強く、そこが「喝采」との違いです。
たとえば「歓声を浴びる」と使えば、「周りの人たちが、喜びの声を上げている。その声を浴びる」と伝わります。小説やドラマの台詞などでは、「きゃーきゃー!」や「わーわー!」という形で、「歓声」が表現されることもあります。
「称揚」について
「称揚」は「しょうよう」と読み、褒め称えることを表します。また称賛の意味を含みます。この言葉は「賞揚」とも書きますが、どちらも同じ意味です。
「称揚」は大声を上げるという意味を持っていないので、「喝采」と比べて程度は弱め、そこまでテンションが高くないニュアンスです。
たとえば「彼の業績を称揚する」と使えば、「彼の業績を褒め称える」と伝わります。どちらかと言えば落ち着いた感じで褒めるとき、使われやすい言葉です。
「謳歌」について
「謳歌」は「おうか」と読み、二つの意味を持っています。一つ目は声を揃えて褒めることや、声を揃えて歌うことです。そこから転じて二つ目は、幸せな境遇を皆で(声を揃えるように)喜び、楽しむことも表します。
二つ目の意味に関しては、「青春を謳歌する」などの形でよく使われています。これは「青春を心から楽しむ」というようなニュアンスです。
「喝采」や「拍手喝采」が使われている作品
元歌手で女優の「ちあきなおみ」の作品に、「喝采」というタイトルの楽曲があります。これは「ちあきなおみ」の13枚目のシングルに当たり、オリコンでトップ10入りを果たした曲です。
他にはクリエイター集団「supercell」の作品に、「拍手喝采歌合」というタイトルの楽曲があります。ちなみに「歌合」は「うたあわせ」と読み、歌を競う古い遊びのことです。この曲はアニメ「刀語」のオープニングとしても起用されています。