「エピローグ」とは?意味や使い方をご紹介

「エピローグ(epilogue)」とは「閉幕の言葉」や「終章」を意味するカタカナ語です。この記事では演劇や文学における「エピローグ」の意味の違いや、反対語である「プロローグ」について、そして少々紛らわしく思われがちな類語の意味についても紹介いたします。

目次

  1. 「エピローグ」の語源
  2. 演劇における「エピローグ」
  3. 文学・音楽における「エピローグ」
  4. 「エピローグ」と「プロローグ」
  5. 「おわり」の色々

「エピローグ」の語源

「エピローグ(epilogue)」は英語に由来するカタカナ語です。

語源をたどると、大元はギリシア語の“epilogos:エピロゴス”にあり、それがラテン語→フランス語→古英語と言った形で導入されていった言葉のようです。

ちなみに“epilogos:エピロゴス”という言葉を分解すると“epi”=「付け加えの(in addition)」、“logos”=「辞(speech)」となります。

さて、語源を知ったところで、私たちが普段使っている「エピローグ」と言う言葉の意味について見ていきましょう。

演劇における「エピローグ」

「エピローグ」は演劇や文学など、様々な場面で使われる言葉ですが、分野によって少しずつ意味が違っています。ここではまず、演劇における意味から見てゆきましょう。

演劇における「エピローグ」は、劇の最後に俳優が観客に向かって語りかける、閉幕の言葉を言います。(別名、「納め口上」)

古代ギリシアでは、演劇は非常に人気があり、時に娯楽となり、時に社会風刺として発達していました。“エピロゴス=結語”は時に作者の意図や意見、教訓的な内容などを、観客に伝えるために行われていました。

こうした結語はヨーロッパの演劇界で伝統的に続けられ、シェイクスピアらが活躍したエリザベス朝演劇(イギリス・ルネサンス)において最も発展しました。ただ、18世紀以降はほとんど見られなくなったようです。

文学・音楽における「エピローグ」

詩歌、小説、戯曲などの文学作品、またはオペラなどの音楽作品では、物語の「結び」の部分や「終章(終曲)」、もしくは「結末」そのもののことを「エピローグ」と言うことがあります。どちらかといえば、この意味の方が馴染み深いと言う人も多いことでしょう。

そのほか、クラシック音楽においては「ソナタ形式」の「第2主題終結部」のことを、テレビ・ラジオでは1日の最後の番組(イギリスでは宗教的内容になるのが普通)を、それぞれ「エピローグ」と呼んでいます。

「エピローグ」と「プロローグ」

「エピローグ」には対になる言葉があります。それが「プロローグ(prologue)」です。その意味は「エピローグ」と真逆のものと考えて間違いありません。

演劇では「序詞」「前口上」と呼ばれ、劇が始まる前に内容の予告や舞台背景の解説、時には作者・演者による劇の出来栄えに対する弁解などが行われました。エリザベス朝に流行ったのも「エピローグ」と時期を一にしています。

音楽劇では「序の部分」「序奏」、文学では「冒頭部」や物語の「発端」を表しています。

「おわり」の色々

さて、ここまでに「エピローグ」の意味や、反対語である「プロローグ」について見てきました。ここでは、その他の「おわり」を表す言葉について見てみましょう。

カーテンコール

「カーテンコール(curtain call)」は音楽会、舞台劇等で、幕が降りた後に、役者たちが観客の声援に応えるかたちで舞台に呼び戻されることを言います。

何か意味のあることを述べるわけではなく、お辞儀して去るところが、「エピローグ」とは異なります。

フィナーレ

「フィナーレ(finale)」はフランス/イタリア語で、交響曲やソナタの最終楽章(終曲)、もしくはオペラの幕切れ(ラストシーン)のことを言います。

英語の「ファイナル(final)」や、物語の最後などでたまにみられる「Fin」も同じように「おわり」を意味していますが、これらは皆、同じラテン語の“finalis(finis)”を語源としているためです。

「おわり」を示す言葉は、他にも例えば「大団円」や「めでたしめでたし」など色々な種類があります。それぞれ少しずつニュアンスが違っているところが、言葉の複雑さであり面白さなのではないでしょうか。


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