「淘汰」とは?意味や使い方をご紹介

「淘汰」という言葉をご存知でしょうか。話し言葉として使う機会は少なくも、「自然淘汰」などの形で、新聞やニュースではよく使われています。ここでは「淘汰」という言葉の意味や使い方、四字熟語や類義語などを、順々に紹介していきます。

目次

  1. 「淘汰」の読み方
  2. 「淘汰」の意味
  3. 「淘汰」の使い方
  4. 「淘汰」を含む四字熟語
  5. 「淘汰」の類義語

「淘汰」の読み方

まず「淘汰」は、「とうた」と読みます。「淘」の字は訓読みで、「よな(げる)」と読みます。「汰」は表外の音読みで「たい」、表外の訓読みでは「にご(る)」、「おご(る)」、「よな(げる)」とも読みます。

片方は表外とはいえ、どちらも「よな(げる)」と読む、珍しい組み合わせです。また「淘」に関して、「にごる」などの「濁」とは似ていますが違う字なので、注意が必要です。

「淘汰」の意味

「淘汰」には大まかに分け、二つの意味があります。まず一つ目は、水で洗ってより分けることです。そこから転じて二つ目、いいものを選び、悪いものを除き去ること、引いては選択が行われることを意味します。

「淘」の字も「汰」の字も、水洗いして不純物を取り除く、より分けるなどの意味を持っています。一方で共通した読み方である「よな(げる)」も、水に入れて必要なものと不要なものを分ける、という意味です。

よって元々は水洗いでより分けることなのですが、現在では大抵、二つ目の意味で使われます。一つ目の意味で使われることは、少ないでしょう。

「淘汰」の使い方

「淘汰」は何かをより分ける、選択が行われることを指して使われます。そして選択とは自主的な行動に限らず、周りに選ばれる場合も含みます。

たとえば「作業中に材料を淘汰する」と使えば、「作業中に不要な材料を取り除く」と伝わります。これは一つ目のニュアンスを含む、自主的な「淘汰」です。

一方で「会社が淘汰されていく」の場合、「会社の良し悪しが選ばれ、悪いものが取り除かれていく、潰れていく」と伝わります。こちらは一つ目のニュアンスを含みません。また、周りに選ばれています。

「淘汰」を含む四字熟語

「淘汰」を含む四字熟語としては、「自然淘汰」や「人為淘汰」などが挙げられます。

「自然淘汰」について

「自然淘汰」は「しぜんとうた」と読み、自然界の中、環境に適合したものは生き残り、不適合なものは滅びていく、という現象を意味します。

転じて単に時間と共に優良なものが残り、劣悪なものが排除されることも表します。つまり「自然淘汰」とは、淘汰する側を自然に限定している言葉です。

ここでの自然とは時間の意味合いが強く、たとえば「質の悪い商品は自然淘汰される」と使えば、「質の悪い商品は、時間が経つにつれて消えていく」と伝わります。

「人為淘汰」について

「人為淘汰」は「じんいとうた」と読み、人間の手で品種改良などを行い、目的の個体を選び、残していくことを表します。「人為」とは、何かに人間が手を加えることを意味します。「自然淘汰」とは、反対の意味を持つ言葉です。

「淘汰」の類義語

「淘汰」の類義語には、「排除」、「選別」、「選分」などがあります。

「排除」について

「排除」は「はいじょ」と読み、不要なもの、邪魔なものを取り除くことを表します。意味のうえでは「淘汰」に内包されていますが、「排除」は「いいものを選ぶ」といった意味を持っていません。

なので「排除」は「邪魔者を排除する」などの形で使われ、何かを取り除くことのみに限定されます

「選別」について

「選別」は「せんべつ」と読み、より分けること、区別することを意味します。この言葉は「いいもの」や「悪いもの」の意味が弱く、単純に選ぶニュアンスが強いです。

たとえば「リンゴの選別作業」というバイトがあったとして、その作業においてリンゴは個人の感情ではなく、大抵は会社が定めた基準に則って選ばれます。

その場合は小さな傷の有無であったり、重さであったりと、基準が曖昧です。そういった良し悪しが曖昧な区別に対して、「選別」はよく使われています。

「選分」について

「選分」は「えりわける」、もしくは「よりわける」、「よりわけ」、「せんぶん」とも読みます。「選分」とは、より分けること、選んで区別することを表します。また「選別」を内包しています。

この言葉は「選別」とほぼ同じ意味ですが、どちらかと言えば「選分」は話し言葉としてあまり使われず、小説などで見かける言葉です。


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