「放言」とは
「放言」は、「ほうげん」と読み、「言いたい放題に言うこと。」「無責任な発言(をすること)」という意味です。相手の気持ちや周りへの影響を考えずに発言することで、ひんしゅくをかったり、物議をかもしたりするので、ネガティブなニュアンスの言葉と言えるでしょう。
「放言」の「放」は、音読みで「ホウ」、訓読みで「はな(す)」などと読み、「緊張や束縛を解いて、上下左右に自由に伸ばすこと」を意味します。
似た言葉に「方言(ほうげん)」があります。読み方は同じですが、「方」は、「方角」を表し、「方言」は、「その地方だけで使われることば」の意味です。
「放言」の使い方
「放言」は名詞としてだけでなく、サ行変格活用(~する等)で動詞としても使われます。また「放言してはばからない」とする場合は、「ためらうことなく堂々と思っていることを言う」というニュアンスです。
- 彼の放言によって、チームワークが崩れた。
- 彼女は意見の違う父親に、感情に任せて放言したことを後悔した。
- トランプ大統領は、自分を批判するメディアの報道を、「フェイクニュースだ」と放言してはばからない。
- あの大臣の国会での答弁を聞いていると、放言癖があると批判されても仕方ない。
「放言」のつく四字熟語
- 漫語放言…深く考えずに、適当なことを言いたい放題に言うこと(例:彼が人から敬遠されるのは、漫語放言するからだ)
- 放言高論…思ったまま、言いたい放題に論ずること(例:会議では放言高論するのが、我が社の社風となっている)
- 隠居放言…世間から離れて身の潔白を保ったうえで、思っていることをそのまま言うこと(例:小泉元総理の隠居放言は、今でも世間に大きな影響をもたらす)
「放言」の類語
失言
失言とは、言うべきではないことを、うっかり言ってしまうこと。自分の立場や相手との関係が悪くなったりする軽率な言葉で、「口は災いの元」と言われるゆえんでもあります。
- 彼女の失言は、友人の心を深く傷つけた。
- 彼は酒の席でうっかり失言してしまい、上司のひんしゅくをかった。
暴言
暴言とは乱暴で礼儀のない発言のことで、論理や物の道理にはずれた発言を指す言葉です。
- A市長の暴言は、マスコミで大きく報じられた。
- 昨今の教師は、思いどうりにならないと暴言を吐く生徒に手を焼いている。
「放言」のまとめ
「放言」は、自分にも周りにも、あまりよい影響をもたらさない傾向があるようです。率直に自分の考えを発言することに臆病になる必要はありませんが、周りの人の立場や気持ちに思いを至らせ、責任の持てる発言をしたいものですね。