「模糊」の読み方
まず「模糊」は「もこ」と読みます。「模」の字は音読みで「モ」・「ボ」と読み、訓読みでは「かたどる」・「のっとる」とも読みます。「糊」の字は音読みで「コ」、訓読みでは「のり」と読みます。
「模糊」の意味
「模糊」の意味は、ぼやけている、ぼんやりしている、ぼかす、あいまいなどがあり、はっきりしない状態を指す時に使用します。また、10兆分の1という意味の漢数字でもあります。「模」の字は手本・真似をするという意味があり、「糊」の字は一般的に接着剤のことを意味します。
「模糊」の出典
「模糊」という表記は、中国元時代の朱世傑(しゅせいけつ)という数学者が著した「算学啓蒙」(さんがくけいもう)や、中国明朝時代の程大位という数学者が著した「算法統宗」(さんぽうとうそう)に見られます。いずれも「10兆分の1」の意味で使用されています。
ちなみに漢数字の最小単位は10のマイナス24乗で、「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」と表記されます。
「模糊」の類義語
「模糊」の類義語として挙げられる漢字は「曖昧」、「有耶無耶(うやむや)」、「不明瞭」、「隠微」、「朦朧(もうろう)」などがあります。どの類語も対象がぼんやりしていてはっきりしていない、内容が明確ではないという意味があります。
「模糊」を使った四字熟語
「模糊」を使った四字熟語としては「曖昧模糊」が挙げられます。「模糊」単体よりも使用頻度が高いので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
「曖昧模糊」の意味
「曖昧模糊」は、物事の意味や状態・内容があやふやではっきりせずぼんやりしているさまを指します。
「曖昧」は状態がしっかりと捉えにくく、意味が二通り以上に解釈できてしまうという意味をもつ、「模糊」の類義語です。
「曖昧模糊」を使った例文
曖昧や不明瞭などの類義語でも言い換えることはできますが、「曖昧模糊」という同じ意味の漢字を繰り返すことで、対象のはっきりとしていない様をより強調します。
- 説明が曖昧模糊としていて内容が理解出来ない。
- この論文は曖昧模糊で結論が納得出来ない。
- 上司からの指示が曖昧模糊で動きづらい。
- 曖昧模糊な言い回しをされて情報を精査できない。
「曖昧模糊」の対義語
「曖昧模糊」の対義語として挙げられる四字熟語には、「一目瞭然(いちもくりょうぜん)」「明明白白(めいめいはくはく)」があります。疑う余地もなく非常にはっきりしている、誰が見ても明らかな状態という意味です。