「怠慢」の読み方
まず「怠慢」は、「たいまん」と読みます。「怠」の字は訓読みで「おこた(る)」、「なま(ける)」と読み、表外読みでは「だる(い)」とも読みます。
一方で「慢」の字に常用漢字表内の訓読みはなく、表外読みでは「あなど(る)」、「おご(る)」、「おそ(い)」などの読み方があります。
「怠慢」の意味
「怠慢」とは、やらなければならない仕事、義務を怠ったり、疎かにすることや、その様子を表します。
「怠」の字は怠惰などにも使われ、怠けることを意味します。一方で「慢」の字は、おごりたかぶる、心が緩んでいる、進みが遅いといった意味を持っています。
「怠慢」の使い方
上述を踏まえて「怠慢」は、やらなければならないことを怠っている人に使われたり、または疎かにしていることを指して使われます。
人に対しては、たとえば仕事中、サボっていて作業が遅れている人を指して、「怠慢だ」という風に使われます。
一方で物事に対する場合、たとえば提出された書類などを確認し、それが明らかに手抜きのときなど、「これは怠慢では?」という風に使います。
つまり「怠慢」は怠っているとき、作業の過程にも使われますが、怠ったあとの結果にも使われるのです。
「怠慢」の例文
- 「怠慢な行政」
- 「彼は怠慢が過ぎる」
- 「なぜ義務を果たさないのですか。それは怠慢です」
「怠慢」を含む言葉
「怠慢」を含む言葉としては、「職務怠慢」が挙げられます。
「職務怠慢」について
「職務怠慢」は「しょくむたいまん」と読み、職務を怠ることを表します。「職務」とは、仕事上の務め、役目のことです。
「怠慢」は仕事以外、たとえば納税などの義務にも使われますが、「職務」と組み合わさった「職務怠慢」は、仕事上の怠慢に限定しています。
「怠慢」の類語
「怠慢」の類語には、「粗放」、「等閑」、「忽略」などがあります。
「粗放」について
「粗放」は「そほう」と読み、荒っぽいこと、綿密ではないこと、大まかで締まりがないことを表します。この言葉は「疎放」とも書きますが、どちらも同じ意味です。
「怠慢」との違いとして、たとえば「怠慢」は、作業そのものをしていない場合にも使われます。一方で「粗放」は、作業はしていても内容が荒っぽい、大雑把という意味です。
また「怠慢」はやらなければならないことに使われますが、「粗放」はそれ以外にも使われます。そういった点で、「怠慢」と使い分けられます。
「等閑」について
「等閑」は「とうかん」と読み、物事をいい加減に、あっさりと軽く扱うことや、注意を払わないことを表します。
こちらも「粗放」と同じく、やらなければならないこと以外にも使われます。加えて「怠慢」との違いとして、「等閑」は「等閑視」という風に使われ、軽視のニュアンスが強いです。
なので物事を怠ってはいなくても、注意が足りなかったり、物事を軽く視て、軽い気持ちで取り組むことなどを指します。
「忽略」について
「忽略」は「こつりゃく」と読み、疎かにすることや、いい加減なことを表します。この言葉もやらなければならないこと以外にも使われ、一方で「等閑」と意味が似ています。
ただし「忽略」は「等閑」と比べて、軽視のニュアンスが弱めです。また「忽」の字は心が急く、うっかりするなどの意味を持ち、「略」の字は簡単にする、およそ、大体という意味を持っています。
なので「忽略」は心が急いたりして、うっかり疎かにする、簡単にした結果いい加減な出来になる、ということです。
「怠慢」の対義語
「怠慢」の対義語としては、「勤勉」が挙げられます。
「勤勉」について
「勤勉」は「きんべん」と読み、仕事や勉強などに、一生懸命に精を出すことを表します。怠りの意味を持つ「怠慢」に対して、「勤勉」は怠らずに励むことです。
たとえば「勤勉な学生」と使えば、勉強に励む真面目な学生だと伝わります。「勤勉な性格」と使えば、物事を怠ったりしない、真面目な性格だと伝わります。