「時分」とは?意味や使い方をご紹介

「時分」は古くから使われてきた言葉ですが、若い方は「子供の時分に」や「今時分」などと言うとき、「時分」という言葉はあまり使わないかもしれません。そこで、この言葉になじみのない方のために、「時分」の意味と使い方をご紹介します。

目次

  1. 「時分」の意味と使用例
  2. 「時分」を含む言葉の意味と使用例
  3. 「時分」の英語表現
  4. 「時分」まとめ

「時分」の意味と使用例

「時分」は二つの意味で使われます。

  1. およそのとき。おり。当時。
  2. ちょうど都合の良い時。時機。好機。
まず、1の意味で現在使われている例を挙げます。
  • 今は昼時分だろう。
  • 去年の今時分は引っ越しの準備で大わらわだった。
  • 若い時分はずいぶん無茶をした。
  • 正午の時分に来客があった。
古文の中でも使用例があります。
この時分の稽古、すべてすべて、易きなり
(このころの稽古はどれもどれも、容易である)

世阿弥『風姿花伝』より

次は、2の意味で使われる例です。
  • 時分を見計らっておいとましよう。
  • もう寝る時分だ。
  • 彼はもう来る時分だ。
  • 秋は農家のかきいれ時分だ。
  • いい時分に教えてあげよう。

「時分」を含む言葉の意味と使用例

「時分柄(じぶんがら)」
その時節にふさわしいさま。時節柄。

  • 『餅屋(もちや)は時分柄にひまを惜しみ/日本永代蔵』(餅屋は時節柄、暇を惜しんで)
「時分の花(じぶんのはな)」
能楽で、役者の若さからくる一時的な芸の美しさ・魅力。
  • 『この花はまことの花にはあらず。ただ時分の花なり。/風姿花伝』(この少年期の芸の魅力は真実の芸の魅力ではない。単に若さからくる一時的な芸の魅力である)
上の例文に出てくる「まことの花」は「時分の花」とは反対に、厳しい練習と工夫とによって会得した、真実の芸の美しさ・魅力のことです。

「時分触れ(じぶんぶれ)」
食事や集まりなどの時刻を触れ知らせること。また、その役。
  • 『時分触れ戻りに辛味(からみ)さげて来る/柳多留』
「時分時(じぶんどき)」
ちょうどよい時分。特に食事どき。
  • 時分どきに物を食はぬと、体の毒でござる/歌舞伎・五大力恋緘』
  • 時分時だのにちつとも気が付きませんで/吾輩は猫である』

「時分」の英語表現

  • The cars are crowded at this time of day.(今時分は電車が込み合う)
  • about this time yesterday(昨日の今時分)
  • It must be about noon.(もう昼時分だろう)
  • It is time to go to bed.(もう寝る時分だ)
  • Now is the time.(時分は良し)

「時分」まとめ

「時分」は、時間的に少し幅を持たせた言葉で、およその時間をあらわします。「とき」「折り」「頃」のほうが今はよく使われているようですが、昔からある「時分」も廃らせたくない言葉です。


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