「無礼」の読み方
「無礼」は「ぶれい」、または「なめ」と読みます。「ぶれい」に関しては、古くは「ぶらい」や「むらい」とも読まれていました。どれも正しいですが、現代では「ぶれい」と読むのが一般的です。
「無礼」の意味
「無礼(ぶれい)」とは、礼儀のなっていないこと、礼儀に外れること、またその様子を意味します。この言葉は「礼が無い」と言い換えられ、ここでの「礼」とは、礼儀や節度を指します。
一方で「なめ」と読む場合、「し」や「き」をつけて「無礼し」や「無礼き」とも使われますが、こちらも意味は同じです。
「無礼」の使い方
「無礼」は礼儀に外れていることや、礼儀のなっていない相手に使われます。なので大抵は叱責、非難、怒り、呆れのニュアンスを含みます。
そして礼儀とは敬意を表現する手段であり、社会的な生活において敬意は、目上の人間、もしくは自分が属している組織外の人間に向けることが多いです。
後者は分かりづらくも、たとえば仕事の取引相手などには、立場が対等であっても敬意を表します。つまり無礼とはそういった「礼儀=敬意の表現」をするべきとき、していないことや、していない人物に使われます。
「無礼」の例文
- 「そのふざけた態度、無礼ではないか!」
- 「挨拶をしないとは、無礼な人間ですね」
- 「キミがこんな無礼なヤツだったとは……」
- 「ははっ、この私にそのような無礼な口を利くとは、愉快な人物だな」
「無礼」を含む熟語
「無礼」を含む熟語には、「無礼講」、「無礼千万」、「慇懃無礼」、「傲岸無礼」などがあります。
「無礼講」について
「無礼講(ぶれいこう)」とは立場の上下関係を抜きにし、楽しむ場のことです。多くはお酒を飲む場で使われます。
「無礼講」においての「講」とは、何らかの集まり、会合を意味します。つまり「無礼講」とは「無礼をしても許される会合」であり、程度は場によって異なりますが、楽しむことを第一に考えています。
たとえば「この飲み会は無礼講だ」と使えば、「この飲み会では堅苦しい態度を抜きにして、楽しもう」と伝わります。
ただしこれも場によって異なりますが、決して「無礼」が奨励されているわけではないので、注意が必要です。発言した人間の意図を汲み、空気を読まなければ、後々の人間関係に影響を及ぼす可能性があります。
「無礼千万」について
「無礼千万(ぶれいせんばん)」とは、このうえなく、甚だしく無礼なことです。「無礼千万」においての「千万」とは、程度が大きい、甚だしいことを表します。
つまり「無礼千万」とは「無礼」を強調した言葉であり、「無礼にもほどがある」、「度を越えて無礼だ」といった意味で使われます。
「慇懃無礼」について
「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」とは、「表向きは礼儀正しくも、実は敬意を表していない」、または「礼儀が正し過ぎて、逆に無礼に当たる」ことです。
「慇懃」とは、態度が丁寧なことを意味します。なので前者は「表は慇懃だが、裏では無礼」、後者は「慇懃ゆえに無礼」とも言い換えられます。
特に後者を噛み砕いて言えば、「態度が丁寧すぎてウザい」であり、礼儀の正しさが必ずしも好印象を与えるとは限りません。
「傲岸無礼」について
「傲岸無礼」とは、強そうな、偉そうな態度を取り、相手を敬う気持ちがないという意味です。「傲岸」とは、威張っていることを表します。
ちなみに「傲岸無礼」と似ている言葉として、「傲慢無礼」や「傲岸不遜」が挙げられますが、この3つは同じ意味です。