「蓮」とは?
「蓮」は「ハス」と読みます。沼の水面に葉ができる植物で、レンコンが収穫できる植物のことです。日本では茨城県で多く収穫されています。
「蓮」の花は寿命が短く、一つの花は3日程度の寿命です。また、昼にだけ花開き、夜は閉じる性質があります。
「蓮」という名前の由来は、花の付け根にあたる花托と呼ばれる部分が「蜂の巣」の様に見えたからといわれています。
似た植物の「睡蓮」と合わせて「蓮華」と呼ばれます。
「蓮」の花言葉は?
「蓮」は昔から知られていた植物だったようで、様々な神話や宗教と結びついたエピソードが伝わっています。特に、エジプトやインドの伝承が花言葉の由来となっています。今回は5つの花言葉を紹介します。
清らかな心
「蓮」の花言葉は清らかな心です。これは「蓮」の育つ環境に由来しています。
「蓮」が育つのは沼や池などの中です。水底には泥がたまっていて、決してきれいな場所ではありません。しかし、「蓮」の花が咲くのは太陽の光の当たる水の上です。それも泥の中で育ったとは思えないくらいに美しい花を咲かせます。
このように、「蓮」の花は泥のような汚れに染まりません。そのため穢れのない清らかな花とみなされ、「蓮」の花言葉は清らかな心になったとされています。
このイメージは特にヒンドゥー教や仏教で好まれたようです。
神聖
仏教では「蓮」は神聖な花です。お釈迦様が生まれた時の話がとても有名です。
お釈迦様は生まれた後すぐに歩くことや話すことができたと言います。7歩歩き、天上天下唯我独尊と話したとされています。その際、歩くときに足を汚さないように花が咲きました。その花が「蓮」の花であったとされています。
このように、お釈迦様とゆかりのある神聖な花だから、花言葉も神聖となっています。
救済
「蓮」の花言葉には救済もあります。こちらも神聖と同じく仏教の影響を受けた言葉です。
仏教では死後極楽浄土に生まれ変わる時、花の上に生まれるとされています。この花が「蓮」です。一蓮托生という言葉はここに由来します。極楽に生まれ変わる象徴だから、救済の意味になったと言われています。
雄弁
「蓮」の花言葉には雄弁もあります。これはエジプトの神話に出てくる雄弁な王、オシリス王にささげられたからだと言われています。
オシリス王はエジプトの王として人々に小麦の栽培やワインの製造法、法律の制定を進めたとされています。弟のセトに殺されてからは死後の世界で裁判官をしているとされています。
また、「蓮」や「睡蓮」には昼に花が開き、夜に閉じる性質があります。そのため、太陽の出ている間咲く花として太陽神の象徴とも考えられています。
離れゆく愛
「蓮」の花はあまり長くは咲き続けません。3日程度といわれています。花が咲いてもすぐに散ってしまう。そんな様子を愛に見立てて、離れゆく愛の花言葉が与えられています。
「蓮」と「睡蓮」の違いは?
「蓮」と似た植物に「睡蓮」があります。印象派の画家、クロード・モネが描いた絵が有名ですね。では、この「蓮」と「睡蓮」にはどのような違いがあるのでしょうか。
ポイントは次の3つです。
- 花や葉のできる位置
- 葉の形
- 葉が水をはじくかどうか
花の咲く位置
一番わかりやすいのは、葉と花のできる位置です。「蓮」は水面より高いところに葉ができます。一方、「睡蓮」の葉は水面に浮かぶようにできるものが多いです。同じように花も「蓮」の方が高いところにできます。
葉の形
「蓮」の葉は円形で切れ込みがないことが多いのに対し、「睡蓮」の葉は切れ込みが見られます。丸いパイやチーズから一切れ取った後の形をしていれば、「睡蓮」です。
葉が水をはじくかどうか
「蓮」の葉は水を良くはじきますが、「睡蓮」の葉はそこまで水をはじきません。「蓮」の葉を杯にしてお酒を飲む象鼻杯ができるのは、「蓮」の葉ということになります。