「いけすかない」の意味
「いけすかない」は「なんとなく気に食わない」・「何か感じが悪い」というような漠然とした理由で嫌うときに使ったりする場合もありますが、どちらかというと「いけ」を強調した意味でとらえて「非常に気に食わない」「ひどく感じが悪い」という意味で使われます。
「いけすかない」の語源
「いけすかない」とは、このましくない意味を含む名詞、形容詞、形容動詞などの上について卑しめや非難する気持ちを示す「いけ」と打消しの助動詞の「ない」を用いた「好きでない」を略して「好かない」からなる合成語です。
接頭語「いけ」の意味の変化
「いけすかない」の「いけ」は、本来は「立派だ」という意味だったのが、副詞用法の「大層」からさらに「たいへん・ひどく」となり、更には接頭語や方言へと移行する段階で、だんだんと品がおちていったともいわれています。
また、「いけ」は江戸時代からみられるようになった語で、動詞の「いける」の連用形・「余計」の転じたものなどの説もあります。
接頭語「いけ」が表す語形
接頭語である「いけ」は単独では使われません。常に名詞や形容詞の前につけて結合してできた語形・派生語でありますが、まったく一つの単語として働きます。
「いけ」は否定の一語文につける場合と形容詞・名詞に係る場合では、かなり下卑る度合いに違いがみられます。
- 名詞・形容動詞の上につく場合・・・「いけ癖」「いけ不器用」
- 形容詞の上につく場合・・・・「いけしつこい」「いけあつかましい」
- 副詞・形容詞句・動詞・動詞句・・・「いけずうずうと」
「いけすかない」の類語
「いけすかない」の意義素はきわめて不快であるという意味で、似たような言葉をあげてみます。
- 苦々しい
- 苦々しい
- 穢らわしい(けがらわしい)
- きもい
「いけすかない」の関連語と使い方
「いけすかない」と同じように「いけ」という接頭語をつけて憎らしい・厚かましいを強調したような言葉があります。
いけずうずうしい
人に迷惑をかけながら恥とも思わず平気でいるという意味の形容詞に、「いけ」の接頭語をつけて、嫌になるほど厚かましい・ずぶといという様に非難した言い方になります。
- いけずうずうしい奴だ
いけしゃあしゃあ
「しゃあしゃあ」は厚かましく恥知らずな様・非難されても平気な様をいう副詞に「いけ」の接頭語と「しゃあしゃあ」をつなげた合成語で憎らしいほど、恥ずかしげがないさまを言います。
- いけしゃあしゃあと嘘がつけたものだ
いけぞんざい
「ぞんざい」はひどくいいかげん・なげやり・丁寧さを欠くさまをいう名詞や形容動詞に「いけ」の接頭語がついてひどくいいかげん・非常に無礼といった意味になります。
- いけぞんざいに書いたものだ。
「いけすかない」を英語でいうと
「いけすかない」は英語で言う場合は、
- いけすかないやつ a repellent fellow(よせつけない)
- いけ好かない老人だ He is a horrid old man(気味が悪い)
- 自分と気が合わない人がいます There's is some jerk you just can't get on with(意地が悪い)
「いけすかない」人の特徴
「いけすかない」の意味は述べましたが、やはりそうなると「いけすかない」ひとは嫌われている場合がほとんどでしょう。
これに限った訳ではありませんが、あてはまるような特徴をあげてみます。
- 自慢ばかりして人を馬鹿にするような人
- 愚痴ばかり言ってなんでもほかの人のせいにするような人
- 人の話を聞かず自分のことばかり話すような人