「アラフォー」とは?
「アラフォー」とは、「アラウンド・フォーティー(around forty)」の略で、40歳前後の人たちのことを指します。「アラサー」という言葉が先にあり、それから派生する形で「アラフォー」が生まれています。
「アラサー」とは?
「アラサー」とは、「アラウンド・サーティー(around thirty)」の略で、30歳前後の人たちのことを指します。2006年ごろから流行した言葉です。
2006年当時30歳前後の女性たちは、1990年代半ばに高校生や大学生で、ルーズソックスや茶髪、プリクラ、ポケットベルなどの流行を経験し、ファッションにも敏感な世代です。コギャル文化を生み出した世代でもあります。
この世代を指す言葉として、アパレル業界や女性ファッション誌が取り上げたことで、「アラサー」が一般にも使われるようになりました。初めは女性に対して使われていましたが、後に男性に対しても使われるようになりました。
「アラフォー」の流行
「アラフォー」は、2008年4月から6月にTBS系で放送された『金曜ドラマ・Around40~注文の多いオンナたち~(きんようドラマ・アラウンドフォーティー~ちゅうもんのおおいオンナたち~)』から流行しました。
女優の天海祐希(あまみゆうき)さんが39歳の独身の精神科医役で主演し、松下由樹(まつしたゆき)さんが友人の39歳の主婦役、大塚寧々(おおつかねね)さんが同じく友人の35歳の雑誌編集者役で出演しています。主人公を中心に、40歳前後の女性たちの悩みや生き方が複眼的な視点で描かれたドラマです。
「アラフォー」は、「2008ユーキャン新語・流行語大賞」の大賞に選ばれ、天海祐希さんが受賞しています。この年は同時に、エド・はるみさんのギャグ「グ~!」が大賞を受賞しています。
「アラフォー」類語
- アラハタ(アラウンド・はたち)20歳前後の人たち
- アラフィフ(アラウンド・フィフティー)50歳前後の人たち
- アラカン(アラウンド・還暦)60歳前後の人たち
- アラハン、アラヒャク(アラウンド・ハンドレッド、アラウンド・100歳)100歳前後の人たち
「アラフォー」の特徴
「アラフォー」が広く使われるようになった2008年ころの40代の人たちは、1986年に施行された男女雇用機会均等法のもとで就職し、仕事も家庭も両立させる意識が高まった世代の人たちです。
また、華やかなバブル景気を若いときに体験し、消費行動にも意欲的です。このため、この層をターゲットとしたファッションや化粧品なども多く販売されています。
一方、2018年現在のアラフォー世代は、2006年当時のアラサー世代と合致します。この世代は、就職活動時にはすでにバブルははじけて経済状態は悪化しており、就職氷河期と呼ばれた世代です。
いずれにしても、人生の折り返し地点を迎え、結婚・出産・仕事をどうするのかといった決断を迫られる年代です。また、そろそろ親の介護の問題も身近になってくる年代でもあります。
アラフォークライシス
「アラフォークライシス」は、2017年12月放送のNHKのテレビ番組『クローズアップ現代』で名づけられ、取り上げられた問題です。
このころのアラフォー世代は、上記「アラフォー」の特徴で触れたように、就職氷河期に社会人になった世代で、新卒で正規雇用者になれなかった人たちも多くいました。また、正規雇用されても、希望通りの職に就けなかったために転職を繰り返したり、バブル世代が上にたくさんいて昇進ができなかったりと、さまざまな理由で他の年代に比べて収入が低くなっています。
収入が低いため、望むような結婚や出産ができません。そのため、親と同居している人たちも多いのですが、支えてくれていた親が高齢化し、経済的に破綻するリスクも出てきています。70代の親と40代の子どもが直面する共倒れの危機を、「7040問題」と呼ぶこともあります。
この状況を改善するため、国は2017年にこの世代の雇用を促進するための助成金を創設しました。また、この年代の非正規雇用者に向けた講座や就労支援のプログラムを始める自治体もあり、少しずつ対策がすすめられている状態です。