「ご厚意」とは?意味や使い方を「ご好意」との違いを含めてご紹介

読み方は同じでも意味が異なる言葉を同音異義語と呼びます。今回は、日常でもビジネスにおいても頻繁に目にしたり、使ったりすることの多い「ご厚意」について紹介していきます。分かりやすいように「ご厚意」と「ご好意」の違いについても解説したいと思います。

目次

  1. 「ご厚意」の意味
  2. 「ご好意」との違いは?
  3. 「ご厚意」の使い方
  4. 「ご厚意」についてのまとめ

「ご厚意」の意味

「ご厚意」は、「ご(御)」と「厚意」に分けることができます。「厚」とは、相手に対する優しさという意味です。そして、「意」とは、意中の相手、意見、意に沿うなどのように気持ちや考えを意味しています。ですから、相手に向けるさり気ない優しさといった意味で考えましょう。まざまざと押し付けるようなものではありません。
 

”思いやりのあるあたたかい心。親切。”
出典:山田忠雄.『新明解国語辞典』第五版. 三省堂, 1997, p.446.

「ご好意」との違いは?

一方、「ご好意」は、表記の上では「好」の違いが見られます。好悪のように個人的な感情が加わるわけです。下に記した定義以外に辞書には、補足として「好きだという気持ちを間接的に伝える表現」と説明されています。

つまり、「ご厚意」は他者の行いに対して感謝を述べる言葉、「ご好意」は何らかの特別な感情を抱いている相手に向けて使う言葉と言えますね。ただし、通常は「ご好意」といった使い方はしないので注意してください。自分自身について敬語を使うことになってしまいますから。
 

”相手に愛情や親近感をいだき、その人のためになるような事を何かしたいと思う気持。”
出典:山田忠雄.『新明解国語辞典』第五版. 三省堂, 1997, p.445.

 

「ご厚意」の使い方

用途別に「ご厚意」の意味を文例を挙げて詳しく紹介したいと思います。

謝辞を述べる場合

相手の気遣いや親切に対して用いる場合の文例です。「ご厚意に甘える」・「ご厚意に預かる」などの表現で、相手の気持ちにそのまま従うといった意味を表します。
 

  • 皆様のご厚意によって、本日はこのような会を開くことができ、嬉しく思います。
  • 今日は、先様のご厚意に甘えて遠慮なくご馳走になります。
  • 多くの人のご厚意に預かることで、今日まで平穏無事に過ごせております。
  • 研修中は、格別のご厚意とご指導を賜り、心より感謝申し上げます。

謝罪する場合

相手の思いやりを台無しにしてしまうという意味を、「ご厚意を無下にする」・「ご厚意を無にする」・「ご厚意を無駄にする」などと表します。
 

  • お招きいただいたのに、せっかくのご厚意に応えることができず心苦しく思っております。
  • この度は先代から続くご厚意を無下にするような振舞いを心から恥じるばかりです。
  • せっかくのご厚意を無にしてしまい、お詫びの言葉もございません。
  • この度はせっかくのご厚意を無駄にししまい、心よりお詫び申し上げます。

断る場合

ビジネスの場面では相手の気持ちに配慮しながら、断らなければならない時があります。その際に、使われる表現を集めてみました。 
 

  • せっかくのご厚意ですが、お気持ちだけ頂戴させていただきます。
  • お忙しい中をご厚意で取り計らってくださったのに、ご期待に沿えず申し訳ございません。
  • 皆様のご厚意を裏切るような形となり心苦しいのですが、辞退させていただきたく思います。
  • 多くの方々のご厚意を身に染みて感じておりますが、今回はお引き受けできません。

書面で使う場合

公的な場面でも大活躍ですよ。書面以外にもメールを送る際に、冒頭の挨拶文、あるいは結びの挨拶文に添えて使えます。
 

  • 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。また、平素は格別のご厚意を賜り厚くお礼申し上げます。
  • 末筆ながら、日頃のご厚意に感謝申し上げますとともに、貴社のご隆盛と皆様のご健勝を心より祈念申し上げます。

「ご厚意」についてのまとめ

「ご厚意」は、自分以外の他者に対して感謝の気持ちを伝える言葉です。読み方は同じでも「ご好意」は、個人的な感情が伴い、自分自身にも使える点が異なります。

「ご厚意」は、いろんな場面において、幅広く使うことができる便利です。使い慣れていないと不安に感じるかもしれませんが、一歩踏み出してみましょう。実際に使うことで、自信がつくかもしれません。


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