一人目の「ふじこ」 『フジコ ヘミング(ピアニスト)』
フジコ ヘミング(本名 Georgii-Hemming Ingrid Fuzjko ゲオルギー・ヘミング イングリッド フジコ) は、1932年12月5日ドイツのベルリン生まれのピアニストです。建築家で画家の父(ロシア系スウェーデン人)と、ピアニストの母(日本人)との間に生まれました。
東京藝術大学を卒業後に本格的な演奏活動を始演奏家として活躍しました。ブルーノ マデルノ(イタリアの現代音楽の作曲家、指揮者)に認められ、彼のソリストとして契約されるという大きなチャンスを得ましたが、そのリサイタルの直前に風邪をこじらせ聴力を失い、大きなチャンスを逃がしただけではなく、演奏家として致命的な聴力の問題を抱えてしまうのでした。
母の死をきっかけに、1995年に日本に帰国し演奏活動を始める中、1999年2月にNHKのドキュメント番組「ETV特集~フジコ あるピアニストの軌跡」が放映され大反響をよびました。これをきっかけに日本でも大きく注目されることとなりました。
同年8月に発売されたCD「奇蹟のカンパネラ」は発売後3か月で30万枚を超える大ヒットを記録し、同年の日本ゴールドディスク大賞の「クラシック・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。その後も日本のみならず、世界各国で著名なオーケストラとも共演し、活躍しています。また、愛猫家としても知られています。
二人目の「ふじこ」 『峰 不二子(ルパン三世)』
マンガ「ルパン三世」シリーズ(モンキー パンチ原作)に登場する架空の人物です。ルパン三世一味の紅一点ですが、ほかのメンバーとは違いあるときは敵に、ある時は味方に、友人に、恋人にと七変化するキャラクターです。原作では一貫したキャラクター設定はなく、各回によって立場や設定、容姿までも変わります。アニメ版では、美しい外見とは反対に目的の為ならいとも簡単に仲間を裏切る冷酷性を持ち合わせた女性として描かれています。変装やメカニック、武術に関しても一流の知識と技術をもっているので、単独での仕事の依頼を受けていることもしばしばです。
キャラクターの名前は、原作者モンキー・パンチの目の前にたまたまあった横山大観の「霊峰不二」と、当時喫煙していた「峰」というたばこの名前を足して「峰不二子」と決めたそうです。名前をつけた理由も、当初はボンドガールのように毎回異なった女性を登場させていたのですが、面倒になり、とりあえず名前をつけてキャラクターとして完成させたそうで、原作者のフレキシブルで自由な発想が、峰不二子のミステリアスな魅力の一因なのかもしれません。
とてもセクシーで美しいキャラクターですが、実はファンの大半は女性だそうです。長年声優を務めた増山江威子もインタビューで「不二子は理想の女性像だ」と語ったことがあります。
三人目の「ふじこ」 『藤子 不二雄(漫画家コンビ)』
藤子 不二雄は、藤本 弘(のちのペンネーム 藤子・F・不二夫)と安孫子素麺雄(のちのペンネーム 藤子不二夫A)の共同ペンネームです。1951年にコンビを結成し、1954年からコンビを解消する1987年までこの名前で活動していました。小学校の同級生だったマンガ好きの二人が、手塚治虫に大きな影響を受けて漫画家を志し、日本を代表する漫画家コンビになったのでした。
実際には初期の作品を除いては、それぞれが別々の作品を作成し共同ペンネームで発表していたそうです。作風の違いから次第に「白い藤子(藤本)」「黒い藤子(安孫子)」というニックネームまでつくようになりました。1987年に路線の乖離(かいり)からコンビを解散することとなりますが、不仲を理由にした解散ではなかったため、その後も交友関係は続いたそうです。
主な作品に「おばけのQ太郎」(共作)、「ドラえもん」(藤本)、「パーマン」(藤本)、「忍者ハットリくん」(安孫子)、「怪物くん」(安孫子)等があります。