「ぼくなつ」とは
「ぼくなつ」は、2000年6月にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたゲームソフト『ぼくのなつやすみ』の略称です。
現在別のハード機に移植されたものを含めシリーズ6作品がリリースされており、2016年12月には株式会社フォワードワークスよりスマートフォン用アプリの製作も発表されました。今回は根強い人気を誇る「ぼくなつ」について、詳しく解説したいと思います。
「ぼくなつ」シリーズ
まずは「ぼくなつシリーズ」のラインナップの紹介です。
- ぼくのなつやすみ…2000年6月22日発売。(PlayStation)
- ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇…2002年7月11日発売。(PlayStation2)
- ぼくのなつやすみポータブル ムシムシ博士とてっぺん山の秘密!!…2006年6月29日にシリーズ第1作「ぼくのなつやすみ」のリメイク版として発売。(PlayStation Portable)
- ぼくのなつやすみ3-北国篇-小さなボクの大草原…2007年7月5日発売。(PlayStation3)
- ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」…2009年7月2日発売。(PlayStation Portable)
- ぼくのなつやすみポータブル2 ナゾナゾ姉妹と沈没船の秘密!…2010年6月24日にシリーズ第2作「ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇」のリメイク版として発売。(PlayStation Portable)
「ぼくなつ」の特徴
「ぼくなつ」は“なつやすみアドベンチャー”と定義された、とにかく夏休みを満喫することを目的としたゲームです。舞台となる場所はシリーズによって違いますが、共通しているのは主人公の“ボク”が夏休み期間中だけ田舎に滞在するという点。基本的にクリア目標はなく、夏休みが終わればゲーム終了です。
夏休み中、小学生のボクは土地の人間たちと関わり合いながら、田舎ならではのさまざまな遊びによって夏休みを満喫します。とはいえ夏休みの過ごし方はプレイヤーに委ねられているので、遊びたくなければ遊ばなくてもよいのです。
こういった自由度や、小学生になりきって夏休みを過ごすという特徴は、一見シミュレーションゲームのようでもあります。が、夏休みが終わるとゲームが終了するという時間制限は、いわゆる箱庭ゲームの代表格である『どうぶつの森』や『牧場物語』とはっきり異なっています。
この時間制限が「ぼくなつ」最大の妙となっており、夏の終わりと共にひと夏を共に過ごした人たちと別れ、都会へ帰るボクの寂寥(せきりょう)が、日常を忘れゲームに没頭するプレイヤーと見事にリンクします。そしてまるで、たった今まで子供時代のひと夏を回想していたような、そんな郷愁感を呼び起こさせるのです。
「ぼくなつ」のゲームシステム
ボクくんが土地で見出す遊びはシリーズによって異なりますが、レギュラーとなっている遊びやシステムなども存在します。
昆虫採集
田舎で過ごす夏休みの定番といえば、やはり昆虫採集ですよね。「ぼくなつ4」では採集できる昆虫の種類が増え、水槽(アイテム)を持っていればアメンボやミズスマシといった、水生昆虫も飼えるようになりました。
虫相撲
採集した昆虫の中で、クワガタやカブトムシといった甲虫系のものは虫相撲に出場させることができます。「ぼくなつ4」では採集した昆虫を鍛えて能力値を上げたり、虫相撲大会に出場できます。
絵日記
夏の思い出を絵日記として残すこともできます。絵日記はいわゆる“セーブ機能”なのですが、身に起こった出来事をかわいいイラストと文字で残せるため、ゲームの楽しみのひとつとなっています。
「ぼくなつ4」では文章をかんたん・しっかり・ポエムの3つから選べるようになっており、さらに楽しさの幅が広がりました。採集した昆虫やモン消し(アイテム)も記録されるため、ボクの夏休み満喫度の指標とも言えるでしょう。
「ぼくなつ」都市伝説
「初代ぼくなつ」には、ちょっと怖いバグが存在します。クリア後のセーブデータを読み込んで、絵日記を開き特定の操作をすると、8月32日以降もゲームを続けられるというものです。
単純にゲームが続けられるだけならよいのですが、キャラクターのグラフィックが崩れたりBGMが消えたり文章が文字化けしたりするため、狂気の世界に迷い込んだような錯覚に陥るプレイヤーも少なくないようです。
またその状態で絵日記を開くと、ほのぼのして可愛かったはずの日記の内容が何故か気色の悪いグラフィックに変わっているという、ちょっとしたホラー展開を楽しむこともできます。夏休みを遊び尽くしたあとは、8月32日という異次元を探検するのもよいかもしれません。