「普遍」とは?意味や使い方を対義語を含めてご紹介

普遍という言葉は日常会話やニュースなどでよく耳にするけど実際の意味はあまり理解していない。案外そんな人が多いのではないでしょうか。実はそれも当然で、普遍には中々奥深い小難しい意味があるのです。その使い方や対義語を含めてなるべくわかり易くご紹介します。

目次

  1. 「普遍」とは
  2. 「普遍」の使い方
  3. 「普遍」の対義語
  4. 「個別」について
  5. 「普遍」のまとめ

「普遍」とは

まず、大まかに普遍の概念を押さえておきます。

普遍とはあまねく全てのものに共通することです。

これだけだとまだ意味がわかりづらいですね。もう少し具体的な例で説明していきます。ペットショップに様々な種類の犬が売っているとします。ゴールデンレトリバー、柴犬、トイプードルなど形や大きさもバラバラで一見何のまとまりもないですが、「犬」という共通した概念でとらえることができます。あらゆる犬種に共通するこの「犬」という概念、これが普遍です。

「普遍」の使い方

次に、普遍という言葉の使い方と注意点を説明します。

普遍は「普通」や「常識」、「全体的」のような類語とは使い方が違います。これらの言葉は全て使うグループ、または時間の制限があります。普遍とはあらゆる国や時代を超えて変わらない概念です。つまり、50年前の「常識」や日本の「普通」であるケースに厳密には該当しません。

「普遍」の例文

  • 物理学の法則は普遍で、宇宙のあらゆる場所で同じだ。
  • 日本とアメリカは文化は違うが、普遍的な価値観を共有している。
  • 世界文化遺産である富士山は人類全体にとって普遍の財産だ。
  • アメリカの銃社会は普遍ではなく、アメリカの歴史が生んだ特殊な文化だ。

「普遍」の対義語

普遍の対義語は「特殊」です。また犬で例えてみましょう。今度はペットショップに日本犬を買いに行くとします。この時、当然日本犬と西洋犬の違いを見分ける判断しますよね?「犬」というまとまりから「日本犬」の特徴に当てはまる一群を区別する。そうやって区別された特徴が特殊です。

全体に共通するものでなく、その中の特定のものにだけ備わってる性質のことです。(もちろん「日本犬」の中から更に「柴犬」や「秋田犬」などの細分化はできますが、わかり易くする為に単純化しています。)この「特殊」は「普遍」よりはまだ耳にする機会が多い言葉です。特殊撮影、特殊メイク、特殊相対性理論など一度は聞いた単語があるはずです。

「特殊」の例文

  • この製品は特殊な加工技術を必要としている。
  • 彼は普段とても地味だが、そこから想像もできない特殊な趣味を持っている。
  • 日本開発銀行は普通の銀行ではなく、特殊な法人として扱われている。
  • 君の考えてることは一般的でなく、相当特殊な発想だよ。

「個別」について

「普遍」は「特殊」以外に「個別」というも概念も知ると更にわかり易くなります。最後も犬で例えます。ペットショップで買った日本犬には当然名前をつけて可愛がります。この時に「ポチ」という名前つけた存在が「個別」です。

上位-犬(普遍)-日本犬(特殊)-ポチ(個別)-下位

これらの関係は上記のような図式で表すことができます。つまり、個別とは概念というより具体的な存在を表しています。

「普遍」のまとめ

ここまでの説明をまとめると、普遍とはつまりカテゴリーの一種ということです。人間が物事を何かしら判断したり分類したり区別したりするときに用いる言葉です。(哲学の世界では普遍論争のように普遍が実在するのか、単なる名称なのかで対立していますが)

哺乳類や人類、イヌ科やネコ科などの「類」や「科」といった言葉と殆ど同じです。しかし、そうなると哺乳類と人類の関係は、上位-哺乳類(普遍)-人類(特殊)-下位になり人類は「普遍」ではなく「特殊」では?という疑問が生まれるかもしれません。

実はこの普遍と特殊の関係は相対的なのです。つまり哺乳類から見たら人類は「特殊」で、人類より下のカテゴリーの人種から見たら人類の扱いは「普遍」になります。

以上のことを理解しておけば「普遍」という言葉をより上手く使うことができるでしょう。


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