「三日坊主」の意味
「三日坊主」という言葉は「みっかぼうず」と読む名詞です。「三日」は「三日間の」という期間を示しますが、この言葉の場合は三日と特定しているわけではなく、抽象的な「ごく短い期間」を表します。また「坊主」とは「お寺の僧侶」のことを、親しみを込めたり、からかって言う俗称です。
「三日坊主」とは、文字通りには「ごくわずかな期間だけ僧侶だった人」といった意味合いとなります。すなわち、厳しい僧侶の修行に耐えられず、短い期間で寺を抜け出してしまった人のことを揶揄する表現です。現在では比喩的な言い方として、「非常に飽きっぽく、長続きしないこと。またその人」という意味を持つ言葉となっています。
「三日坊主」の語源
「三日坊主」は、仏教寺院のお坊さんが由来となっている言葉です。仏教の僧侶になるには、お寺に住み込み、早朝から夜まで毎日厳しいお勤めを行わねばなりません。日々の食事や生活も質素で禁欲的なものです。このため、一度出家してもこうした厳しい修行の日々に耐えられず、すぐに還俗(げんぞく=俗世間の生活に戻ること)する人は、昔から少なくなかったそうです。
こうしたことから、「何かを始めたものの、短い期間で音を上げてやめてしまうことや、その人」の比喩として「三日坊主」が使われるようになりました。なお「三日」とは、日本語では「漠然とした短い期間」を示す特徴的な表現です。例えば「三日天下」(成功や君臨期間が短いこと)、「三日にあけず」(たびたび、しょっちゅう)といった用例があります。
また「坊主」も元来は「坊(寺院)の主人」という、いわゆる住職の意味だったものが、後に僧侶の俗称に変わり、また剃髪した僧侶と見た目が似ていることから「髪の毛のない男」や「男の子供」の比喩にも用いられるようになりました。
「三日坊主」の使い方と例文
「三日坊主」の使い方
「三日坊主」は現在では「非常に飽きっぽいことやその人」を示す言葉です。そしてそういった行為や性格をあざけり、非難するニュアンスがこもっている表現でもあります。このため日常的な会話や文章などでは、自分の性格や過去の失敗などについて、へりくだって卑下して述べたり、目下の人に対してや親しい間柄で、相手をからかったりする際に用いることが一般的です。
また語感が似ているため「三日天下」と誤用しないよう注意も必要です。「三日天下」は「成功した期間がごく短かった」といった意味合いです。このため例えば「マラソン完走を目指してジョギングを始めたんだけど、三日天下に終わったよ」といった言い方は間違いとなります。
「三日坊主」の例文
- 日記も早起きも、部活の自主練習も三日坊主。本当に仕方のない子だね、あんたは。
- 今年こそはダイエットしなきゃと、はやりの「糖質制限」をやってみたんだけど、恥ずかしながら三日坊主でしたよ。
- 私はどうも飽きっぽい性格でしてね。今までいろんな趣味を始めてみたんですが、どれも三日坊主で続きませんでした。
- 三日坊主と馬鹿にされるが、いろんな体験を人よりたくさんできると思えば悪いことでもあるまい。
「三日坊主」の英語表現
日本語の「三日坊主」に近いことわざや、同じように「長続きしない」「飽きっぽい」ことを表す英語表現としては、次のようなものが挙げられます。
- Soon hot,soon cold. (熱しやすく冷めやすい)
- He never makes a success of anything he does, because he cannot stick to it. (彼は何事にも飽きっぽいから、何をやっても成功しない)
「三日坊主」のまとめ
「好きこそものの上手なれ」といったことわざがありますが、人というのは、楽しかったり好きだったりすることは、おのずと長続きするものです。やりたくないこと、つらいこと、難しいことは、頭では必要だと思っていてもついついサボってしまい「三日坊主」になりがちです。
ダイエットしかり、勉強しかり。「そのことを好きになる工夫」をしてみることも、三日坊主攻略法の一手なのかもしれません。