「皮肉」とは?意味や使い方をご紹介

「皮肉」という言葉は日常的に使用され、とてもなじみ深いものですが、一般的な使われ方は限られているかと思います。でも、じつは「皮肉」には複数の意味があるのです。今回は「皮肉」の詳しい意味や使い方について、例文もまじえてご紹介します。

目次

  1. 「皮肉」の意味
  2. 「皮肉」の語源
  3. 「皮肉」の英語表現
  4. 「皮肉」を使った例文
  5. 「皮肉」の類語
  6. 「皮肉」のまとめ

「皮肉」の意味

まずは「皮肉」という言葉の持つ意味をご紹介しましょう。

皮と肉、体

「皮肉」という言葉は「皮」と「肉」という漢字から成り立っています。ですから皮肉には、文字どおり「皮と肉」という意味があるのです。そのままといえばそのままですが、そこから転じて「体(からだ)」を指すこともあります。

上辺(うわべ)

皮は体のいちばん表面、その下に肉。ともに肉体の表側にあるため、「皮肉」と書いて「上辺(うわべ)」「上っ面(うわっつら)」という意味もあります。ただし、今ではこうした使われ方はめったにしないといってよいでしょう。

ちなみに、現在使われる表現には、同じ意味を持つ「皮相」があります。「皮相的な意見」というと「うわべだけで取り繕った中身のない意見」という意味になります。

意地の悪い遠回しの非難

現在もっとも一般的なのがこの用法でしょう。対象となる人物に対して、ストレートに批判するのではなく、当てこすりのようにチクリと非難するわけです。会話相手であったり、その場にはいない人物についても「皮肉」は向けられます。

想定と違う結果に対する表現

こちらも現在よく使われる用法です。思っていたのと異なる状況が生じた際に、皆さんも「皮肉な結果になった」などと口にしたことがあるのではないでしょうか。

多くは期待していたより悪い状況になったときに用いられますが、これはケースバイケースです。例えばプロ野球で、ライバルチームが大金を投じて現役バリバリのメジャーリーガーを入団させた。ところがその選手がまったく日本の野球に対応できず、結果自軍が優勝した。「皮肉な結果だな」というわけです。

「皮肉」の語源

「皮肉」の語源は、「皮肉骨髄」という仏教用語です。これはダルマさんで有名な中国禅宗の始祖・達磨大師の言葉で、骨・髄が「本質」を意味するのに対し、皮や肉は「うわべ」、つまり本質を理解していないことを表したのです。そもそもの由来から「皮肉」には批判的なニュアンスが込められていたことがわかりますね。

「皮肉」の英語表現

「皮肉」と同じ意味の英単語には「irony」「sarcasm」「satire」などがあります。「irony」は日本でも「アイロニー」または「イロニー」というカタカナ語として定着しています。

「皮肉」を使った例文

ここでは「皮肉の意味」の項でご紹介した「意地の悪い遠回しの非難」「想定と違う結果に対する表現」に該当する例文を挙げてみます。
 

  • 彼女はお人好しなので、皮肉をいわれたことにまったく気づかなかった。
  • 後輩があまりに場違いな服装をしていたので「とても個性的な服だね」と皮肉をいった。
  • 自分で仕掛けた罠にはまったのは皮肉というほかない。
  • さりげなく皮肉るのはやめてくれ。
  • あいつは皮肉屋だが間違ったことはいってないよ。

上記のように「皮肉」は、「皮肉る」と動詞形で用いたり、「-屋」をつけて人物像を表す場合もあります。

「皮肉」の類語

「皮肉」と同様の意味を持つ言葉には、「嫌味(いやみ)」「当てこすり」「風刺(ふうし)」などがあり、いずれも遠回しに人を非難するときに使われる表現を指します。

思ったことをそのまま正直に伝えるいいまわしには、こうした言葉は使われません。人間関係は複雑ですから、相手の欠点をズバリと指摘するのがなかなか難しいケースも多々あります。そうしたときに間接的に気持ちを表すのが「皮肉」をはじめとするこれらの言葉ということになるでしょう。

「皮肉」のまとめ

「皮肉」という言葉に複数の意味があることについて、あまり意識していなかった方も多いのではないでしょうか。また、もともとは仏教用語だったというのも意外な話です。達磨大師が「皮」「肉」「骨」「髄」に例えて本質を説いたというのは、なるほどと感心させられます。

生きていると時には「皮肉」をいいたくなることもありますが、あまり皮肉ってばかりいるとこちらが嫌な人間になりかねませんから、気をつけたいものです。

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