「しみじみ」とは?
「しみじみ」(「染み染み」/「沁み沁み」)という言葉には、次の2つの意味があります。
- 深く心にしみるさま。よくよく。つくづく。
- 静かに落ち着いているさま。しんみり。
どちらの意味の場合でも「副詞」として運用しますので、何らかの状態や動詞・形容詞などを修飾するという点を踏まえておきましょう。
「しみじみ」の使い方
深く心にしみるさま
心の状態について「しみじみ」と使う場合、強い印象を受けて深く感じ入るさまや、土に水が染みこむように、情景や感情などがいつまでも心に残る様子を指します。
「染」や「沁」の字を使う通り、染色の液にひたって、じわりとにじむように心に色が移る、その影響を受けるというさまをイメージして使うと、言葉の情感が出やすいかもしれません。
【例文】
- 親が亡くなってはじめて、その恩をしみじみと感じた。
- あの時、違う道を選んでいたら、別の未来があったのだろうかとしみじみ考えた。
- あの画家の、けっして派手ではない、しみじみとした画風が好きだ。
静かに落ち着いているさま
物の様子や雰囲気などについて「しみじみ」と使う場合、うるさくなく、静かな夜のような空気感を指して使うのが良いでしょう。
こちらの使い方も、語感としては情感をこめて、何かがゆっくり染みわたっていく様子をイメージするのがよいでしょう。
【例文】
- 祖母の葬式では、集った知人らが生前の祖母についてしみじみと語り合った。
- しみじみとした雰囲気が嫌いな彼女は、皆が落ち込んでふさぎ込んでいる中でも陽気に振る舞った。
「しみじみ」の類語
「しみじみ」の類語としては、心の動きに注目するのであれば、「切々」(せつせつ)や「じいん(とする)」などの単語が適切です。
様子や雰囲気などに注目するのであれば、「愁然」(しゅうぜん)、「悄然」、「ひっそり」などの言葉が意味が近いでしょう。