「ほころぶ(綻ぶ)」とは?意味や使い方をご紹介

「ほころぶ(綻ぶ)」と聞いて、縫い目緩んだり、花が咲き始めたりする様子を思い浮かべる方も多いでしょう。また、人のうれしそうな表情を表す意味もあることをご存知の方もいるかもしれませんね。「ほころぶ(綻ぶ)」の意味や使い方を、例文や類語を交えて紹介します。

目次

  1. 「ほころぶ(綻ぶ)」の意味とは?
  2. 「ほころぶ(綻ぶ)」の使い方と例文
  3. 「ほころぶ(綻ぶ)」の類語

「ほころぶ(綻ぶ)」の意味とは?

「ほころぶ」は、もともと、「ほころびる」という語でしたが、音が変化して「ほころぶ」という形になりました。「ほころぶ」(漢字表記:綻ぶ)の意味は以下のとおりです。

  1. (縫い目などが)ほどけて緩む
  2. 花のつぼみが少し開く
  3. 表情が緩む

「ほころぶ(綻ぶ)」の使い方と例文

1.ほどけて緩む

1の意味の「ほころぶ」は、洋服などの縫い目が擦れなどが原因でほどけてしまった繰り返し読んだ書籍の綴じ目が緩みが生じたといった状態を表します。

【例文】

  • 裾上げした所がほころんでしまい、急いで安全ピンで留めた。
  • 辞書を使いすぎて綴じ目がほころび、一部のページが落ちそうになっている。

2.つぼみが少し開く

2は、花がつぼみから開花する状態になりかけているもう少しで本格的に咲きそうである様子を表します。

季節を代表する花がほころぶと、新しい季節の到来を実感する人もいるでしょう。特に、春先に花がほころべば、明るく暖かい季節がすぐそこまで来ていると笑みも浮かぶかもしれません。

【例文】

  • まだ寒い時期ではあるが、立春にさきがけてあちこちで梅の花がほころび始めている。
  • ニュースで桜がほころび出したと言っていた。開花宣言が待ち遠しい。

3.表情が緩む

3の「ほころぶ」は、「顔がほころぶ」「口元がほころぶ」などの言い回しで用いられます。これらは、楽しいことや嬉しいことに接したり、可愛らしいものを見たりした時などに自然とニッコリした笑顔になることを表す慣用句です。

もちろん、皮肉や人を小馬鹿にして苦笑したり、嘲笑したりするような冷たい笑顔を指すわけではありません。

【例文】

  • 友人は甥っ子の画像をスマホの待受にして、画面を見る度に顔をほころばせている。
  • ツンデレのうちの猫が珍しく甘えてくると、つい表情がほころんでしまう。

「ほころぶ(綻ぶ)」の類語

1の意味の類語:ほつれる

ほつれる(解れる)」は縫い目や編み目などが緩んでほどけること、また束ねていた髪の毛や糸などがまとまらなくなり乱れてしまうことをいいます。

【例文】

  • 袖口の縫い目がほつれてしまい、すぐに手縫いで直した。
  • 編んだセーターがほつれたので、かぎ針で編み目を拾って目立たなくした。
  • しつけ糸がほつれ、いらない布で結び直してまとめた。

2と3の意味の類語:笑む・笑み・花笑み

笑む」(え-む)や「笑み」(え-み)は、ニコッとする笑い顔になるという意味ですが、表情の状態を花に当てはめて、つぼみが開く開花しだすことを表す場合もあります。

これは「ほころぶ」の2と3の意味とほぼ同じです。他に、いが栗や果物などが熟した後に自然に割れる様子を指すこともあります。

また、「花笑み」(はなえ-み)は、花が咲いたり、つぼみが開いたりすることや、表情を花の様子で例えて、華やかな笑顔微笑みを表す言葉です。

【例文】

  • 庭のバラのつぼみが笑んでいる。すぐに満開の花が楽しめそうだ。
  • 彼女がうれしそうに笑みを浮かべている。
  • 婚約会見中のその女優の表情は、まさに花笑みという言葉がぴったりだった。
  • 沼津の御用邸では、12月が蝋梅(ろうばい)の花笑みの時期だ。

類語3.表情が緩む:目を細める/目を細くする

目(め)を細(ほそ)める」「目を細くする」とは、嬉しいことがあった時、目の前に可愛らしいものが見えた時などに、顔全体で微笑むことです。表情が柔和になり、目を細めて優しい笑顔を浮かべるところから来ています。

こちらも「ほころぶ」の3の意味と同様に、苦笑や冷笑のような白けたような笑いの表情を表現することはありません。

【例文】

  • 七五三で神社を訪れた親御さんが、我が子の成長に目を細くしている。
  • 監督は自軍の選手のこととなると、いつでも目を細めたような表情で話をする。


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