「静か」とは？意味や使い方を類語も含めてご紹介

「静か」（しず-か）には以下のような意味があります。

1. 物音も声もしないさま
2. 慌ただしい感じがしない様子
3. 人の物事の状態が落ち着いていること
4. （人などが）大人しい

「静か」は、物が動く音や人の声が聞こえずに、辺り一帯がシーンとしている様子を描写する時に使います。また、騒音が無く過ごしやすい状態や、そのような環境を指すこともあります。

【例文】

• 今は授業中ですよ！みなさん、私語は慎んで静かにしてくださいね。
• 静かな湖畔の宿に、突然ししおどしの音が響いた。
• 工事の音が耳について、耳栓をしたら一瞬にして静かになった。
• 人里離れた静かな山奥で、赤とんぼがゆうゆうと飛び回っていた。

「静か」という言葉は、物事の状態や様子について目立つような慌ただしい動きがないことを表す際にも使われます。

例えば、水などの流れ、物や人などの人気の上昇の仕方が緩やかであること、物がゆっくりと動いているさまなどを「静か」と表現することができます。

【例文】

• 晴れている時の川の流れは、とても静かですね。
• 静かな湖面に石を投げると波紋が広がった。
• ボートが静かに漕ぎ出されていく。
• 電車が静かに動き始めた。
• 今、トイカメラ（主に子供用に作られたおもちゃの素材でできたカメラ）が静かなブームとなっている。

「静か」は物事の動きだけでなく、心の動きや態度など、その人の状態が落ち着いていることも表現できます。

【例文】

• 今日の行動について、静かに反省しながら考えてみる。
• 上司が出てきてしっかりと相手の話を聞いたところ、荒れ狂っていたクレーマーが次第に静かな様子になっていった。
• 寝る前に瞑想をし始めてから、心静かに過ごせるようになってきたように思う。

うるさい物音や声がしないことから派生して、人の性質に当てはめて「静か」という場合があります。大人しい性格や、声高にうるさく喋らない様子などを表し、「もの静か／物静か」（意味：言動などが落ち着いていて穏やかである様子）と表現する例もあります。

【例文】

• 彼女は静かな人だね。活発な女性が多いうちの職場では反対に目立つ存在だ。
• 彼は物静かで、読書が趣味だと言っていた。
• 静かな人が発する一言には、ハッとさせられることがある。

1～4のそれぞれの意味ごとに、類語をご紹介します。

【ひっそり】
人の気配がなく、物音もせずに静まりかえる様子という意味です。他に、人目につかない状態でいるさまをいいます。

• 丘の上に建つひっそりとした廃屋は、心霊スポットとして恐れられている。
• 海岸の側にある公園内に、ひっそりとした文学館がある。

• 森閑とした夜の神社の境内で、肝試しをした。
• 朝や夕方は犬の散歩をする人が大勢いるが、昼の林の中の遊歩道は森閑としているよ。

【長閑】（のどか）
のんびりと落ち着いている様子を表します。また、天気が良く、穏やかでうららかな陽気のことをいう場合もあります。

• 車窓から、長閑な田園風景が広がっている。
• 退職したら長閑な故郷で過ごしたいと考えている。

• 平穏な毎日が続き、安心して暮らせるね。
• 今までは平穏無事であったが、新型流行病が蔓延すると悩みの種が尽きない。

【穏やか】（おだ-やか）
人の様子を表す意味であれば、態度が落ち着いていて角を立てずにいるさまを表します。他に、物事の状態が安らかで落ち着いている様子も描写できます。

• 彼は人当たりが穏やかで、色々な人から信頼されている。
• 穏やかな話し方を心がけるようにしたら、話しかけやすいと言われるようになった。

• 受付のAさんは穏和な人で、来訪者の方からも評判が良い。
• 取引先のB社長は穏和な性格だから、こちらの話を丁寧に聞いていただけるよ。

【寡黙】（かもく）
口数が少なく、あまり喋らない様子をいいます。「寡」は少ないということ、「黙」は話さず黙っている様子のことです。

• 彼女は寡黙な人だが、話しかけられるのは嫌ではないらしい。
• 一見寡黙に見える彼だけど、いったん仲良くなるとよくしゃべるようになるよ。