「真髄」とは?意味や使い方をご紹介

「真髄」(しんずい)の意味をご存知でしょうか。学問や芸能、あるいは趣味などに没頭している人であれば、一度は聞いたことがあるかもしれません。「神髄」と書いても同じ意味です。ここでは、「真髄」(神髄)の意味や使い方を、「真理」との違いや類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「真髄」の意味
  2. 「真髄」の使い方
  3. 「真髄」と「真理」の違い
  4. 「真髄」の類語

「真髄」の意味

「真髄」(しんずい)とは、「ある物事の最も大事な事柄」を意味する言葉です。「神髄」とも書きます。

物事を理解する時、「浅い」「深い」といった尺度で語られる場合がありますが、「真髄」は、その物事の最深部あるいは中枢を概念として表す言葉です。

「髄」とは

「髄」(ずい)とは、骨の中にある結合組織のことです。人間をはじめとする脊椎動物の身体を支える構造の、そのさらに奥にある部分です。「脊髄」や「脳髄」といった身体の主要部分にも「髄」の字が使われていますね。

「骨の髄まで冷え込む」といった慣用句に見られる通り、転じて「髄」は「中心」「主要部分」という意味でも使われるようになりました。

「真髄」ですから、物事を支える構造の、その更に奥の奥、最も大切な部分であると解釈することができるでしょう。

「真髄」の使い方

多くの場合、「真髄」は学問や芸術分野について使われる言葉です。これらの分野では、知識や技術や理解が「ある/なし」の二元論ではなく、どれだけ「極め」ているか、どれだけ「深め」ているかが問われるからです。

例えば、何十年も修行を積んだ職人が生み出す作品は、それがどんな分野のどんな種類のものであれ、素人がどうやっても真似できないという意味では、その道の「真髄」が現れたものとなるでしょう。

学問・芸術分野以外でも、あまねくすべての物事は研究して深めることができる…と考えれば、あらゆる物事に「真髄」は存在し、あらゆる人間がそこに到達できると言えるかもしれません。

例文

  • 己の利益だけを追求し、他人のことを考えない人間には、仏教の真髄に至ることはできないだろう。
  • 小説を書き続けて二十年。ようやく、日本語の真髄がつかめてきたような気がする。
  • ある画家は、「絵画の真髄は、見たものをそのまま描くことではない。心の目で見たものを描くのだ」と語った。
  • 映画好きの友人は、「この映画の真髄は、世間でよく言われている俳優の演技ではなく、優れた脚本にあるんだよ」と熱く語った。
  • 彼の演説は、私という存在の真髄に強く響いた。

「真髄」と「真理」の違い

「真髄」という言葉は、物事の道理の正しさを客観的に言い表す「真理」とは違い、ある程度の主観性を含む場合があります

例えば「音楽の真理」と言えば、それ以外にはありえない音楽についての絶対的な正しさ(方法など)を指す一方で、「音楽の真髄」であれば、その捉え方は人によって異なる可能性があり、そのありかを客観的に確定することは難しい場合もあるでしょう。

言い換えれば、「真髄」は、完全につかみとれるもの、確実に到達できる領域というより、「自分でつかみとれそうな真理」「自分で届きうる真理」を表す言葉と考えても良いかもしれません。

「真髄」の類語

奥義

「真髄」の類語としてもっともわかりやすいのは「奥義」(おうぎ)かもしれません。学芸などにおける、もっとも奥深い肝要な事柄のことを言います。

【例文】

  • 剣の天才と言われた上之助は、〇〇流の奥義をたったひと月で会得した。
  • 彼の人心掌握術は、小手先の技術というよりもはや奥義と言ってよい領域に達している。

極意

「極意」(ごくい)は、基本的には「奥義」と同じ意味ですが、物事の核心について使うこともできます。

【例文】

  • 学問に王道なし。毎日こつこつと続けることが上達の極意だ。
  • 人付き合いの極意などというものは存在しない。その場に応じて、付き合い方を考えていこう。

秘訣

「秘訣」(ひけつ)とは、ある事を行うのに最も効果的で、しかしめったに他人に知らせない方法のことです。「真髄」に比べると、「高い効果」が重視されていることが特徴です。

【例文】

  • 彼女は、若さを保つ秘訣として、海外の化粧品を取り寄せて使っているらしい。
  • 友人は商売で成功した秘訣を、私だけに教えてくれた。


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