「求める」の意味
「求める」(もと-める)の意味は以下の通りで、様々な種類があります。
- ~を欲しい
- (相手に)要求する
- (得るために)探す
- (自分でお金を出して)買う
- 自ら招く(慣用句での表現)
この記事では、それぞれの意味ごとに使い方・例文をご紹介します。
「求める」の使い方と例文
1.欲しい
「求める」は「~を欲しい」と、強く自ら手に入れたいと思う場合に使います。対象となるのは、実際に存在する物や、抽象的な物事も当てはまり、「食べ物を求める」「平和を求める」などのような例があります。
【例文】
- 炎天下で喉が乾き、軒先で水を求めた。
- 現状を打破したいので、広くアイディアを求めた。
- 権力を求める人は、多くの人間を支配したいと考えるように思える。
2.要求する
1の「欲しい」から派生して、「求める」は相手に強く要求する時にも使います。この場合、相手に「求める」のは「金品」などの実際の物だけではなく、「(相手にして欲しいと願う)行動」の場合もあります。
【例文】
- 大事なパソコンを壊されたので、知人に弁償するよう求めている。
- 契約書に印鑑を押すようにと求めたが、不審に思われて白紙に戻された。
- 会合で、ずっと押し黙っている彼に何らかの発言を求めた。
- 彼女には落ち着いた振る舞いをするよう求めた。
3.得るために探す
「求める」はある物を手に入れるために探している場合にも使えます。「探し求める」といった形でも使われ、一刻も早く、物事や人を見つけたい気持ちを表しています。
【例文】
- 昨今の新型の流行病で失職した。日々、働ける場を求めている。
- 海賊の宝物が隠された秘密の場所を探し求める。
- 動物病院で「保護犬の飼い主を求める」という告知が出ていた。
4.買う
「求める」は、以前から欲しかった物を自分でお金を支払って買う場合にも使います。「買い求める」の形で使われる場合もあります。
【例文】
- 古書店で絶版の文庫本を求めた。
- 骨董店でアンティークの壺を求める。
- Switch Lite(ゲーム機)を買い求めようとしたが、どの店でも売り切れでとても困っている。
5.自ら招く(慣用句)
古語では、「求める」を(良くない物事を)自ら招くという意味で使う例がありました。しかし、現代語ではあまりなく、慣用句で見られる程度です。
毛を吹いて疵を求む(けをふいてきずをもとむ)出典:韓非子
体毛に息を吹きかけて体の傷を探そうとしたところから、もともとは「人の欠点をあげつらって暴こうとする」という意味。さらに、「人の欠点をあげつらおうとして、かえって自分の短所をさらけ出してしまうはめになる」という意味も派生しました。
「求める」の類語
「求める」の類語について、それぞれの意味に分類して紹介します。なお、5「自ら招く」は、現代語では慣用表現で使われる例がほとんどですので、類語の紹介は割愛します。
類語1.欲しい:「所望」
「所望」(しょもう)は、具体的にある物が欲しい、もしくは、そのようにしてもらいたいと願うことをいいます。古めかしい語ですが、「求める」の欲しいという意味とよく似ていますね。「ご所望」という形で、目上の方への敬語としても使えます。
【例文】
- 武士が茶店で「茶を一杯所望したい」と言った。
- お客様、ご所望の品がありましたら何なりとお申し付けください。
類語2.要求する:「請う・乞う」
「請う/乞う」(こ-う)は、相手にあることをするように願うという意味です。両方ともあまり意味は変わりません。
ただし、「請う」が相手に許可をもらうといった側面が強いのに対し、「乞う」は相手に物などを与えるように願う、ねだるようなニュアンスが含まれるなど、少し違いが見られます。
【例文】
- 上達するために、その道の専門家に教えを乞おうと必死になる。
- やむをえぬ事情で、月極駐車場に停めさせてもらおうと請い、許可してもらった。
また、「請う/乞う」には他に、神や仏に祈るという意味もあります。
類語3.得るために探す:「追い求める」
「追い求める」(おいもとめる)は、追いかけて行き探す、もしくは、どこまでも欲しいと追い続けて行くことです。追いかけるや追い続けるという意味は含まれませんが、「求める」の探すという意味とよく似ています。
【例文】
- 幻の蝶を追い求めて、森の奥深くまで入ってしまった。
- ネッシーを追い求めて、ネス湖まではるばる来た。
類語4.買う:「購入」
買うという意味の「求める」の類語は、「購入」(こうにゅう)です。この言葉の意味は、買うこと、買い入れる(意味:お金を払い自分の物にする)ことです。
【例文】
- スーパーで野菜や肉などを購入して、晩御飯を作った。
- 玄関に飾るため、かわいい手ぬぐいを購入した。