「盛り上がる」の意味
「盛り上がる」（もりあがる）の意味は以下の2つです。
- 物事などが積んだように高くなる
- その場の勢いが増して感情が抑えられなくなる
「盛り上がる」は「盛る」と「上がる」が結びついた連語です。この場合の「盛る」は積んだように高くすること、勢いが強くなることです。
「上がる」は物の位置がそれまでよりも高い位置に移ること、勢いがつくなどの意味で使われます。「盛り上がる」は同じような意味の語を重ねて、強調しているように取れますね。
「盛り上がる」の使い方と例文
1.積んだように高くなる
「盛り上がる」で外側や上部にむけて積み上げたようにうず高くなった状態を表せます。例えば、土を重ねてかさが高くなった時に「土が盛り上がる」、腕を曲げた時などに、筋肉が増えて見えるような状態について「筋肉が盛り上がる」のように使います。
【例文】
- 春には木の芽がふくらんで盛り上がる。
- 転んだ時の傷のかさぶたが盛り上がったようになっている。
2.勢いが増してくる
その場の勢いが増し、良い意味で感情が抑えることができないくらいになった状況を「盛り上がる」を使って表せます。例えば、「機運が盛り上がる」「雰囲気が盛り上がる」「話が盛り上がる」「気持ちが盛り上がる」といった使い方です。
また、ドラマや映画、劇や音楽、文学作品等で、最高の見せ場に差し掛かった時に演者だけでなく、聴衆や読者、視聴者の気持ちが高まったり、興奮したりすることも。そのような人々の気持ちや場の雰囲気に「～の場面で盛り上がりを見せる」などと使えます。
【例文】
- 文芸作品復興の機運が盛り上がり、再販が決まったそうだ。
- 彼が登場してスピーチをすると、パーティーが盛り上がった。
- 離れ離れになった恋人達が再開する場面が盛り上がり、視聴率が50%を超えたそうだ。
- ライブでボーカルが座席に飛び込み、最高に盛り上がった。
「盛り上がる」の類語：積んだように高くなる
隆起
「隆起」（りゅうき）とは、ある部分が高くなって持ち上がったようになること、物事の勢いが強くなることをいいます。現在では、前者の意味で使われることが多いようです。
「盛り上がる」と同じような意味ですが、「隆起」では特に、陸地部分が海水面よりも上昇する様子を表す場合もあります。
【例文】
- 活火山の山腹部分が隆起して、噴煙が見られるようだ。
- 地殻変動により海底が隆起して、島が出現した。
堆い・うず高い
「堆い／うず高い（俗用での表記）」（うずたかい）とは、物理的な「盛り上がる」と同様、物が積み重なって高くなるという意味です。なお、古語では「高貴である・気品がある」ことも表しました。
【例文】
- 川が氾濫して、枯れ木やごみが堆くなっている。
- 落とし穴を作ったため、横に掘った土がうず高く積まれている。
「盛り上がる」の類語：勢いが増してくる
熱を帯びる・熱気を帯びる
「熱を帯びる」（ねつをおびる）とは、病気や怪我で体温が上がって熱が出る状況をいいましたが、転じて、興奮が抑えらずに情熱的になる様子を表すようになりました。「熱気を帯びる」（ねっきをおびる）も同じような意味ですが、強い意気込みを表現する場合にも使われます。
「盛り上がる」で、気持ちが抑えられない状況になるのと、「熱を帯びる」「熱気を帯びる」心の状態とはよく似ています。
【例文】
- 点の取り合いになったゲームを見て、両チームの観客は次第に熱を帯びてきた様子に見えた。
- 舞台の開始時間が近づき、海上では熱気を帯びた様相を呈している。
最高潮・クライマックス
「最高潮（さいこうちょう・英語で「クライマックス」"climax"）とは、雰囲気や感情、緊張が最も高まった状態のこと、その極みに達している場面のことです。主に、作品などを見たり聞いたりした場合に使われ、「盛り上がる」と同じような様子を表します。
【例文】
- あの劇でのバレエの場面は最高潮を迎えるところで使われるんだよ。
- ミステリードラマのクライマックスは、崖で犯人が判明する最終局面だね。