「過度」とは?意味や使い方をご紹介

「過度」という言葉を聞いたことがありますか。「過」を使った言葉には、過去、過労、過払いなどいろいろありますね。どれも時間的に、あるいは物理的にオーバーすることです。では、「過度」はどういう意味でしょうか。この記事では「過度」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「過度」の意味
  2. 「過度」の使い方
  3. 「過度」の対義語「適度」
  4. 「過度」の類語

「過度」の意味

「過度(かど)」には、以下のように二つの意味があります。

  1. (物事の程度が)度を越していること。普通の程度を超えていること。並外れていること。
  2. (仏教用語で)迷いの世界から悟りの彼岸に渡ること。

一般的によく使われているのは、上記1の意味ですね。「過」と「度」それぞれの漢字の意味を確認し、理解を深めていきましょう。

「過」「度」の字義

「過」には、大きく分けて四つの意味があります。①とおりすぎる。よぎる。(通過、看過など)②時が過ぎる。(過去、過程など)③度が過ぎる。(過激、過信など)④しくじる。あやまち。つみ。(過失、過誤など)

一方、「度」は、多義語で非常に多くの意味があります。「過度」では、ほどあい。ちょうどいい程度ということを表します。同じ使い方をする熟語として、限度、程度などが挙げられます。

「過度」の1の意味は、度がすぎる意の「過」と、ちょうどいい程度の「度」を組み合わせて成り立っていると言えますね。

「過度」の使い方

「過度」は、程度が甚だしい、適切な範囲を超えている、といった意味合いで用いられます。多くの場合、「過度の(な)○○」と、後ろに内容を伴います。それによって、人やもの、あるいは生活などに悪影響を及ぼすことも多々あるでしょう。

例文

  • 彼は、小学校のころから勉強ができたが、両親の過度の期待に応えられず、大学受験に失敗した。
  • 彼女は過度のあがり症で、人前に立つと顔が真っ赤になって何も話せなくなる。
  • 弟は心臓に病気があり、過度の運動を医者から止められている。
  • 過度の疲労により、彼は職場で倒れてしまった。
  • この建物の構造は、従来のものに比べて特定の部分に過度の負担がかからないような設計になっている。
  • ラリーに参加したドライバーが、過度のスピードでハンドル操作を誤り、車が横転して大破した。

「過度」の対義語「適度」

「適度(てきど)」は、程度がちょうどよいこと、多からず少なからず適当な具合のことです。物事にはなんでも、適量、適切、適温、適当といったちょうどいい量やタイミングなどがあります。この「適度」を大きく超えてしまうと「過度」になってしまいますね。

【例文】

  • デスクワークでオフィスや自宅に籠っていたら健康に良くないから、適度に運動をしたほうがいいよ。
  • 風呂のお湯は熱すぎずぬるすぎず、適度な温度でゆっくりつかりたいものだ。
  • 「酒は百薬の長」なんて言われているけど、適度の量を守っていればこそ言えることだ。

「過度」の類語

「過剰」

「過剰(かじょう)」は、物事にとって必要な量や程度を超えていることです。よく知られている言葉としては、過剰生産、過剰在庫、過剰摂取、自意識過剰、自信過剰などがありますが、どれも多すぎるということですね。

【例文】

  • 妻はやきもち焼きで、私と部下の女性が一緒に取引先へ行くだけでも過剰反応して機嫌が悪くなる。
  • 環境への配慮から、過剰包装を減らそうという動きが広がっている。

「過多」

「過多(かた)」にも「過剰」と同じような意味があります。胃酸過多や人口過多などと言いますが、「過剰」と置き換えて使える例もたくさんあります。

【例文】

  • 空港で、スーツケースが重量過多だったので超過料金を取られてしまった。
  • 現代はインターネットで何でも調べることができるが、情報過多で本当に必要な正しい情報が見つけにくくなっているのではないだろうか。

「過当」

「過当(かとう)」は、適当な程度を超えていることを意味する言葉です。代表的な使用例は「過当競争」ですね。過剰や過多に比べると、使われることはあまり多くありません。

【例文】

  • ある統計によると歯医者はコンビニより多いそうだ。まさに過当競争の代表選手だ。
  • 探偵に調査を依頼したら過当な報酬を請求された。


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