「敬う」とは?意味や使い方を類語をまじえてご紹介

「敬う」とは、自然、人間、神仏などに対して敬意を払うことを意味します。「敬老」と言えば、ご老人を「敬う」ことですが、その意味と神仏への敬いのニュアンスは少々異なります。今回は「敬う」とはどのような意味であるかを、使い方や類語も含めご紹介します。

目次

  1. 「敬う」とは?
  2. 「敬う」の使い方
  3. 「敬う」の類語

「敬う」とは?

「敬う」(うやまう)は、次のような意味を持つ動詞です。自分より高位の対象である人や神仏などを尊いものとしてとらえ、それを行動や態度に表すこと。すぐれたものとして大切にし、尊敬、敬意をはらい、礼をつくすこと。

「敬う」は、神仏や(生きている)人だけでなく、自然先祖などのようなものも対象とすることがあります。

「敬」の漢字は、敬う、身を引き締めうやうやしくつつしむという字義を持ちます。尊敬、敬語など、みな同様の意味で用いられています。

「敬う」の使い方

「敬う」は、対象ごとに、ニュアンスが微妙に異なってくることに留意しましょう。たとえば、自然を「敬う」とき、畏怖(いふ)の思いで手を合わせたいような気持になるかもしれません。また、お年寄りを「敬う」ときは、丁寧に大切に話したり接したりします。

先祖を「敬う」ときは、お墓や仏壇に向かい、子孫を見守ってくださることへの感謝で手を合わせ、母を「敬う」ときは、カーネーションに「いつもありがとう」という言葉を添えるといった形で表現します。

神仏を「敬う」場合は、人智を超えたものに対する敬虔な思いからひれ伏すような動作を伴うこともあるでしょう。

「敬う」の文例

  • 恩師を敬う気持ちがなくなることはなく、毎年のように会いに行っている。
  • 敬老の日は、祖母のもとに孫たちが集い、肩をもんだりしてささやかな敬いの日を過ごす。
  • お墓参りのおりには、はるかに連なる祖先を敬い、手を合わせている。
  • 富士山を間近で仰ぎ見ると、言葉にできないような敬う思いが湧いてくる。
  • 仏教では、五体を地面に投げ伏して仏や高僧を敬う五体投地という礼拝がある。

「敬う」の類語

「尊敬」の意味

「尊敬」(そんけい)には、(そんきょう)という読み方もありますが、一般的ではありません。意味は、対象とする人物の人格、見識、才能や能力、経験などをすぐれたものとして尊び敬うこと。また、そのような人自身を敬うことです。

「敬う」は、上述のように幅広い対象を持ちますが、「尊敬」の対象は人間のみです。尊敬の対象となる内容については、一般的な定義はありません。

基本的には、優れた性質や能力を対象としますが、それが「良きこと」とも限りません。たとえば、悪の道を憧れる者が、大犯罪者を尊敬したりすることもありえるわけです。

「尊敬」の文例

  • 仕事のやり方が、いつのまにか尊敬する先輩の仕事ぶりに似てきたようだ。
  • 非暴力の精神を貫いたガンジーは、今なお多くの人々の尊敬を集めている。
  • 違法行為を繰り返すアーティストを「型破り」として尊敬する若者たちも存在する。

「崇拝」の意味

「崇拝」(すうはい)は、一般的な意味と宗教的な意味があります。一般的には、対象を尊敬し、心から傾倒して敬い憧れることを意味します。また、宗教においては、神聖なるものへの信仰や神仏を崇め敬うことです。

人間への崇拝では、アーティストなどに熱烈に傾倒し憧れる気持ちを「崇拝」と呼べますし、宗教指導者への「崇拝」は、信仰と同義にもなります。

人間以外への「崇拝」は、「自然崇拝」「偶像崇拝」など、宗教的なものが多くなります。ヒンドゥー教のように、牛を神聖なものとして「崇拝」するような場合もあります。

「崇拝」の文例

  • 山本君は、ビートルズを崇拝するあまり、イギリスのリヴァプールに定住してしまった。
  • 日本にも、いまだ自然崇拝の文化が色濃く残っている地域がある。
  • ローマ教皇は、世界中のカトリック信者の崇拝の対象だ。


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