「目処」の読み方
「目処」は「めど」と読みます。
ビジネスシーンをはじめ、日ごろの生活で「めどが立った」「めどがついた」といった言いまわしをします。こうした表現は皆さんもよく耳や口にしたことがあるのではないでしょうか。「めどがつく」の「めど」はこういう漢字だったんですね。
なお、「目処」は「目途」とも書きます。
「目処」の意味
では、「目処」にはどんな意味があるのでしょうか。辞書を開くと、「目当て・目標・物事の見通し」と載っています。「目処」と書いて「目指す処(ところ)」、「目途」の場合は「目指す途(みち)」ということですね。
つまり、「目処」とは「目標とするところへ到達するまでの見通し」という意味です。ですから、よく使われる「目処が立つ」「目処がつく」という表現は、「計画の実現や問題の解決、また仕事の終了などにおいて見通しが立つ」という意味になります。
「目途」の語源
いくつか説がありますが、有力なのは「めどはぎ」という植物から、というものです。
占筮(せんぜい)の占い師は「筮竹(ぜいちく)」と呼ばれる竹製の細い棒を何本も使って易占いをしますが、以前はその筮竹を竹ではなく「めどはぎ」から作っていました。それで、「めど」という言葉は「占い」の意味も含むようになります。占いが将来を見通し向かうべき方向をしめすためのものであることから、時たつうちに「めど」という言葉は「目当て・見通し」という意味を持つようになりました。
もう一つの説として、縫い針の穴「針孔(めど)」からきているというものもあります。小さな針の穴に糸を通そうと狙うことから、「めど」に「目標にするところ」という意味がついたと考えられます。
「目処」の使い方
「目処」の使い方としてダントツに多いのは、前述のとおり「目処が立つ」と「目処がつく」の2つです。というより、このほかの使い方はほとんどないと言っても良いでしょう。この2つの表現に意味の違いはありません。
では、上記の2つの表現に絞って、いくつか例を挙げてみましょう。
- 「おかげさまでなんとか仕事の目処が立ちそうです」
- 「資金繰りの目処が立たず、このプロジェクトはだめになった」
- 「目処がつき次第ご連絡いたします」
やはり、ビジネスシーンで使われることの多い言葉のようですね。
「目処が立つ」「目処がつく」の類語
ここでは「目処が立つ」「目処がつく」の類語をいくつかご紹介します。意味の似ている表現を知ると、言葉に対する理解が深まりますし、シチュエーションに合わせて言い換えもできるので便利ですよ。
①「見通しが立つ」
これから先、物事がどうなっていくのか予測できることを意味します。「見通しが立った」ということは、目的を達成できる手応えを感じたということです。
反対に、これからのなりゆきが不透明で予測できない場合には、「見通しが立たない」と言います。皆さんもニュースなどで、「今後の復旧の見通しは立っていません」などという言葉を聞いたことがあるでしょう。
②「目鼻がつく」
目と鼻があると何となく顔の感じが想像できることから生まれた言葉で、おおよその見通しが立つという意味です。「さんざん話し合って、どうやら今回の問題にも目鼻がついた」などと使います。
③「目算が立つ」
「目算」は「もくさん」と読みます。これは、だいたいこうなるだろうと目分量で計算することを意味します。「毎年、年初に今年の売り上げの目算を立てる」などと使いますが、対象は数字に限らず、「見込み」と同義です。
「目処」と「目途」の違い
先にも触れたとおり、「目処」には「目途」という表記もあります。「目途」は本来「もくと」と読みますが、そちらの読み方をする機会はめったにありません。あるとしたら、そうとうかしこまった表現のなかでということになるでしょう。
漢字は違えど、「目処」も「目途」も同じ意味と捉えていただいてかまいません。
さいごに
「目処」という言葉の意味や使い方について、簡単にご紹介しました。よく聞く言葉だからこそ、意味や使い方を正しく理解しておきたいですね。