「拘泥」とは?意味や使い方をご紹介

「拘泥(こうでい)」という言葉をご存じでしょうか。読み方も少し難しいかもしれません。漢字を素直に読むと「こだわるどろ」で「泥に拘る」ですが、いったい何のことでしょうか。この記事では「拘泥」について、意味や使い方を類語などとともにご紹介します。

目次

  1. 「拘泥」とは
  2. 「拘泥」の使い方
  3. 「拘泥」の類語

「拘泥」とは

「拘泥(こうでい)」とは、物事にこだわって柔軟な考えや行動ができないこと、小さなことに必要以上にこだわること、あきらめが悪いことを意味する言葉です。

「拘」は、音読みで「コウ」、訓読みで「とら-える。とど-める。こだわ-る。かか-わる」と読みます。意味は、①「とらえる。つかまえる。とどめておく」、②「かかわる。こだわる。ひっかかる」などがあり、「拘泥」は、②の意味で使われています。


では、なぜ「泥」なのでしょうか。次項で詳しくみていきましょう。

「泥」とは

「泥(どろ)」のことは、たいていの人が知っていると思います。子供のころには泥んこ遊びをした人も多いことでしょう。「泥」は、水気を含んで粘り気のある土、ぬかるみのことを指します。

そして、そのような土の状態から、どろのような状態をした物質、粘ってくっついて離れない様子を表すようになり、さらにこだわるという意味を持つようになりました。「拘泥」は、二つの漢字が互いにこだわるという意味を強調しあっていることがわかりますね。

「拘泥」の使い方

「拘泥」は、勝ち負けや物品の取り分など、あるいは、周りの人がささいな事と考えるようなことに執着しているときに使われます。

勝ち負けでは、スポーツやゲームの勝敗、物品の取り分では、親族同士の遺産争いなどが代表例と言えるでしょう。

例文

  • 現在のオリンピックは、国も選手も勝敗に拘泥し、参加することに意義があるというオリンピック精神は失われてしまっている。
  • 小さなミスに拘泥して、そこから何も学ぼうとしないものは成長しない。
  • A社は、過去の大ヒットした自社製品の成功に拘泥することなく、柔軟な発想でオリジナリティのある新製品を次々と生み出している。
  • 妻は、私が仕事で出産に立ち会えなかったことにいつまでも拘泥し、夫婦喧嘩をすると必ずそのことを持ち出して私を非難する。
  • 兄は全く親の面倒を見なかったくせに、遺産分割の話になると、自分が一番親を大事にしたと言い張ってわずかな遺産に拘泥し、裁判沙汰になってしまった。

「拘泥」の類語

「執着」

「執着(しゅうちゃく)」は、特定の人や物に心がとらわれて離れられないことを意味します。この言葉もこだわっていることを表していますね。

「拘泥」は、人の言動に対することに使うことはありますが、特定の人自体に対して使うことはあまりありません。それに対して「執着」は、特定の人に対しても使います。その代表例はストーカー行為でしょう。

【例文】

  • 彼は、別れた彼女に対する執着心から、彼女の後を付け回し、とうとう会社にまで押しかけて騒ぎになり逮捕された。
  • あいつは金に執着するあまり、周りの人間が信用できず、友達が一人もいなくなってしまった。

「執心」

「執心(しゅうしん)」は、何かに強くこだわること、特定の人(特に異性)に対する気持ちにとらわれていることと意味します。後者の意味で使うときは、ひやかしやからかいのニュアンスを含んでいることが多いようです。

【例文】

  • 外車マニアの彼は、あくまで外車に執心していて、収入が減っても国産車に変えようとはしない。
  • 彼は、どうやら社長秘書のAさんにご執心のようだ。

「固執」

「固執(こしつ/こしゅう)」は、自分の考えや意見にこだわり、他に譲ろうとしないことです。「固」にはかたくな、「執」にはこだわるという意味があります。

「自分の考え」に固執すると視野が狭くなり、大切なことを見落とすこともあるでしょう。周りの意見に耳を傾けられるような、心のゆとりを持ちたいものですね。

【例文】

  • 武士は、家系を存続させることに固執し、本人の意思を無視した養子縁組なども頻繁に行われていた。
  • 働き方改革で仕事の進め方を見直さなければいけないのに、課長は今までのやり方に固執して変えようとしない。


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