「幸せ」とは?意味や使い方を類語も含めてご紹介

「幸せ」は、人間の究極の願いのひとつですね。しかし、その意味はとらえ難く類語も多岐にわたります。「幸せ」の形もひとりひとり異なります。そして「幸」の字の由来にはちょっと驚かされます。今回は「幸せ」の意味と使い方を由来や類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「幸せ」とは?
  2. 「幸せ」の使い方
  3. 「幸せ」の類語

「幸せ」とは?

「幸せ」の定義づけは、古今東西で繰り返されてきました。人間の感情や感性の満足度からみた幸せ、宗教的な幸せ、哲学的観点からの幸せと様々です。おそらく、個々の宗教的な真理としての「幸せ」を除いて、何をもって「幸せ」と考えるかは個人的な要素が多分にあります。

「幸せ」は、「仕合せ」「仕合わせ」「倖せ」と書く場合もあります。意味は、①運やめぐりあわせがよいこと、そのさま。幸運。幸福。②個人にとって望ましく満足なこと。不平不満がなく楽しいこと、そのさまなどです。

また、昔の用法として、①運命。めぐりあわせ。②運が上向くこと。③物事のやりかた。事のしだいなどといった意味もあります。

「幸せ」の由来

「幸せ」の語源は、室町時代にさかのぼりす。「しあわせる」(為る+合わせる)の名詞形が、やがて「仕合せ」の表記となり、「めぐり合わせ」の意味で使われていました。「仕合せ」(めぐり合わせ)が良い、悪いという用い方をしたのです。

江戸時代以降になると良し悪しの意味がすたれて、「しあわせ」だけで「幸福なこと」を意味するようになります。そして、この時期、「幸」という字を当てて「幸せ」となりました。

「幸」の字義

「幸」は、中国・殷(いん)の時代の「手枷(てかせ)」を表す象形文字です。今でいう手錠、罪人が両手を拘束される道具です。ここから「執」という字は、うなだれる罪人が「幸(手枷)」に両手を差し出す象形文字で「とらえる」という意味を持ちました。

苦難を表す手枷が「幸せ」に転じた由来には諸説あります。①重刑を免れ手枷刑ですんだことが「幸せ」、②手枷から逃れることができた「幸せ」、③手枷の困難さえ人生の糧(かて)に変えることのできる「幸せ」など、いずれも幸運が転じたというものです。

「幸せ」の使い方

「幸せ」は、そもそもが「運がよい、めぐり合わせがよい」という「仕合せ」が源流ですが、今ではその意味で使うことは少なくなっています。とはいえ、運の良さは明らかに「幸せ」の一要因ですから、意味は文脈の中に生き残っています。

「幸せ」の一般的な定義は、あくまで個人にとっての満足や楽しいこと。まさに「幸」の由来が手枷であるように、苦難の中に見出すささやかな喜びさえ幸せになりえますので、「幸せ」の使い方は幅が広いと言えましょう。

また、「真の幸せ」などという言い回しの場合は、宗教的な「真理」「至福」にも近い、人間の感情や出来事に左右されない絶対的な幸福感を表していることもあります。「私にとっての真の幸せは…」というように個人を表す文脈であれば、その人自身の幸せを意味しています。

「幸せ」の文例

  • 君に会いたくてこの町に来たが、偶然ここで出会うとはなんて幸せなことだ。
  • つつましい庶民の暮らしだけれど、こうして家族仲良く過ごせるのが何より幸せだ。
  • 幸せなことに、第一希望の大学に合格することができました。
  • 人類の幸せのために、地球の環境を保護し浄化せねばならない。
  • 真の幸せとは、出来事に一喜一憂することなく、つねに至福の状態にあることだ。

「幸せ」の類語

「幸福」の意味と使い方

「幸福」(こうふく)とは、満ち足りて、不満も不自由もなく、楽しいこと、また、そのさまを意味する言葉です。

「幸せ」と同様に、何が幸福かは個人の問題です。たとえまわりからは不幸な人生のように思えても、その人が幸せだと思うのならば、十分「幸福」なのです。

【文例】幸福な人とは、不幸を不幸とせず、幸せへの扉だと捉えることができる人ではないだろうか。

「幸運」の意味と使い方

「幸運」(こううん)とは、めぐり合わせ、運がよいことを意味する言葉です。「幸運」であれば、満足で楽しい気持ちになるかもしれませんが、そこに重点はなく、あくまで「運の良さ」を表す言葉です。

【文例】プラチナチケットと言われる、世界的アーティストのライブ最前列の席がとれたのは幸運だった。

「僥倖」の意味と使い方

「僥倖」(ぎょうこう)とは、思いがけない幸せを意味する言葉です。若い人には馴染みが薄いかもしれませんね。「僥」は、身分不相応な高い望みを持つこと、「倖」は、運がいいこと、思いがけない幸運に恵まれることを意味します。

ここから、本来なら手にすることのない幸運を手にしたという意味で「僥倖」という言葉ができたのです。

【文例】僥倖にも、素晴らしい師と巡り会い、貴重な教えを多々受けることができた。


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