「譲歩」とは?意味や使い方をご紹介

「譲歩」(じょうほ)は、新聞やニュースの外交記事などでよく見かける言葉ですが、どのような意味があるでしょうか。さまざまな主義主張がぶつかり合う、交渉や駆け引きの場などで用いることも多いでしょう。今回は「譲歩」の意味や使い方を類語を交えてご紹介します。

目次

  1. 「譲歩」とは?
  2. 「譲歩」の使い方
  3. 「譲歩」の類語

「譲歩」とは?

「譲歩」は、(じょうほ)と読みます。「譲」という漢字は、「ゆずる」という意味をもちます。「歩」をゆずる、となれば、この言葉のだいたいのニュアンスは想像できることでしょう。

「譲歩」とは、自分の考え、意見、主張のすべて、あるいは一部をおさえ、相手の意見に従ったり、受けいれたりすること相手の意向に妥協すること、を意味する言葉です。

「譲歩」の由来

「譲歩」のもとの意味は、他の人に道を譲って先に行かせることです。由来の源は中国という説もありますが、確かなものではないようです。

道をゆずると聞いても、現代のように幅の広い道では、イメージが湧きにくいかもしれませんね。例えば、人ひとり分ほどの幅の細い山道を歩いているときに、向こうから人が来たとします。当然、お互いがそのまま歩いていては、スムーズにすれ違うことはできません。

そんなとき、どちらかが体を端によせて道をゆずる、そんな状況を想像すれば、「譲歩」のニュアンスをはっきりと感じ取れるでしょう。

「譲歩」の使い方

「譲歩」は、自分の意見や主張がたとえ正論であったとしても、それを抑えて相手の主張に同意するという点がポイントです。相手から自分の意見の欠点や誤りを指摘されて引っ込める、という場合は「譲歩」とはいいません。

また、譲歩する対象は、意見や主張のこともあれば、権利、条件、交渉事などの場合もあります。いずれにしても、双方が話し合うという前提があっての結果であることもポイントです。

話し合いのプロセスで、どちらかが全面的に「譲歩」する場合、一部分だけを「譲歩」する場合、または互いが「譲歩」しあう場合など様々なパターンがあります。

「譲歩」の文例

  • 給料のベースアップとボーナスの増額を交渉したが、業績の悪化を受け、譲歩してボーナス増額は取り下げた。
  • 新婚旅行は海外へ行きたかったが、妻が飛行機嫌いのため、譲歩して京都をめぐることにした。
  • 共同出資のカフェは内装の好みが別れたが、互いに譲歩しあってようやく納得のいく店ができた。

「譲歩」の類語

「妥協」の意味と使い方

「妥協」は、(だきょう)と読みます。意見が対立する者が他方に譲ること、あるいは双方がそれぞれ譲り合うことで意見の一致点を見出し、おだやかにまとめること、を意味します。

自分が主張を取り下げて相手に譲る「譲歩」とくらべ、「妥協」には、話し合いをしながら、譲り合える点をさぐりつつ着地点を見出す、という、より模索的・協調的な相談の結果、というニュアンスがあります。

【文例】

  • 最初は互いに主張を譲れなかったが、時間をかけて話し合うなかで、互いに妥協できる点をみつけることができた。
  • 君の意見は正論だが、たくさんの参加者がいるのだから、妥協ひとつできないのならグループワークは成立しなくなるよ。

「折衷」の意味と使い方

「折衷」は、(せっちゅう)と読みます。二つ以上の異なった考え方、ものごとのよい部分をとりあわせ、ひとつにまとめること、を意味します。よい部分に焦点をあわせていることから、「譲歩」よりも建設的なイメージがあるでしょう。

「折衷する」と動詞的に使うこともできます。また、他の語と組み合わせた言葉もしばしば登場しますので、意味を確認しておきましょう。

「和洋折衷」(わようせっちゅう):日本風と西洋風の様式をともに取り入れること
「折衷案」(せっちゅうあん):2つ以上の案の良い部分を採用して一つにまとめた案、相反する複数の案の中ほどをとり、折り合いをつけた案。

【文例】

  • 三人の意見をそれぞれに折衷して、最良の企画書を作成することができた。
  • 中村君の新築の家は、和洋折衷でなかなか使い勝手もよさそうだ。
  • このプロジェクトは三社がかかわるものである以上、よい折衷案を出してほしい。


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