「パンピー」の意味
「パンピー」とは、「一般」と「人」を意味する英語の'people'(ピープル)を合わせた「一般ピープル(一般ピーポー)」を省略した言葉です。さらに「パンピ」と省略することもあります。
「パンピー」は「(漠然とした)世間の人達・普通の人」を表す場合と、「○○ではない人達」を指す場合とがあります。「○○」が何なのかは、話者や文脈によって異なります。次の項では「パンピー」の具体例を見ていきましょう。
「パンピー」とはどんな人?
ヤンキーではない人
一説には、「パンピー」という言葉は1970年代にヤンキーの人達が使い始めたと言われています。ヤンキーの人達が言う「パンピー」は、「ヤンキーではない人」のことです。
芸能人や富裕層ではない人
「パンピー」という言葉が流行したバブル時代は、芸能人や富裕層ではない人、つまり「素人・平凡な市民」のことを「パンピー」と呼んでいました。
オタクやバンギャではない人
現在では「パンピー」はあまり使われず、一部では死語とも言われています。しかし、オタクが「オタクではない人達」、バンギャ(ビジュアル系バンドの熱烈なファン)が「バンギャではない人達」を指す言葉として使うことがあります。
「パンピー」ではない人に共通するのは?
こうして変遷を見て来ると、「パンピー」が指す「○○ではない人達」の「○○」に相当するのは、「マイナーな趣味趣向を持つ人・特殊な職業や境遇にある人」であると言えるでしょう。
近年、オタクやバンギャが「パンピー」という言葉を使う姿勢からは、それぞれを同好する人達の連帯感やグループの閉鎖性が窺えます。
「パンピー」の使い方
- パンピーに利益還元されるような政策が望まれる。
- 彼は突然、ヤンキーから足を洗ってパンピーになった。
- 俳優のAさんの結婚相手はパンピーということだ。
- イベントやライブで列を作るときにはパンピーに迷惑にならないようにしよう。
「パンピー」の類語
ここでは、「(漠然とした)世間の人」という意味の「パンピー」の類語をご紹介します。
「有象無象」
「有象無象」<うぞうむぞう>とは、「形のある物とないもの(有相無相:うそうむそう)」、あるいは、「取るに足らない雑多な人達・多く集まったろくでもない人達」という意味です。
後者の意味は、侮蔑的な表現ではありますが、「その他大勢」という点においては「パンピー」に類する言葉と言えるでしょう。
[例文]「有象無象には私の趣味は理解できないだろう。」
「庶民」
「庶民」<しょみん>とは「世間一般の人」という意味です。財産や特権を持たない人を指すので、「パンピー」に通じるところがあります。
[例文]「外出自粛は庶民の生活に大きな変化をもたらした。」
「俗人」
「俗人」<ぞくじん>とは、「名誉や利益にとらわれている人・風流を理解しない無教養な人」または「(僧に対して)世俗の人」という意味です。
「パンピー」には風流を解さない人、高尚な趣味のない人という意味合いはありません。しかし、ある特殊な趣味を持たない人という点においては、「俗人」も「パンピー」に似たところがあると考えられます。
[例文]「彼女が好む骨董の世界は私のような俗人にはさっぱり分からない。」
「大衆」
「大衆」<たいしゅう>とは、「多くの人」や「社会の大部分を占める労働者階級」などを表す言葉です。後者の社会学的な概念としての一般の人という含みは「パンピー」にはありません。しかし、前者の漠然とした「多くの人」という意味は「パンピー」と共通しています。
[例文]「A監督の新作映画は大衆の支持を得るタイプではないかもしれない。」
「PUNPEE」(パンピー)とは
「PUNPEE」(パンピー)は、ヒップホップMCやDJ、サウンドエンジニアなどの分野で活躍している人です。宇多田ヒカルの『光 –Ray Of Hope MIX–』でリミックスを手がけたことでも注目されました。