「成績をおさめる」とは
「成績をおさめる」とは、仕事や勉強、スポーツなどで評価に値する結果を出すことです。評価に値する結果ですから、ある程度の高い成績であったり、評価する側が決めた一定の成績でないと「成績をおさめる」という表現は使いません。
「おさめる」はどう書くか?
「成績をおさめる」は「成績を収める」と書きます。「収める」には「手に入れる」という意味がありますから、「一定の成果を上げる。結果として手に入れる」ことを表せるわけですね。
よく間違いやすいのが「修める」です。こちらは「学芸などを身に着ける」という意味があるので、混同しやすいのでしょう。「収める」は、結果に力点が置かれていますが、「修める」は、身に着ける努力に力点が置かれているという違いがあります。
「成績を収める」の使い方
- うちの高校のテニス部は毎年全国大会で上位に入る優秀な成績を収めている。
- 彼は審査会所定の成績を収めて留学生に選ばれた。
- 彼女は、二年連続営業トップの成績を収めて、社長賞を獲得した。
- あなたは○○主催の第〇回○○大会において頭書の成績を収められました。よってこれを賞します。
「収める・修める・納める・治める」
「おさめる」は多くの意味を持つ言葉です。「おさめる」を漢字表記するときは、大抵、「収・修・納・治」の四種類の漢字のどれかで表します。以下の例文では、同じ意味に対して二種類の漢字が使われる場合、それを[]で示します。
「収める」
「収める」には、①決まったところにしまう・一定の枠に入れる、②手に入れる・中に取り入れる、③勢いをしずめる、などの意味があります。
【例文】
- 毎日の売上金を事務所の金庫に収めると一日の仕事が終わる。
- 今日の買い物の予算は○○円内に収めないと今月は赤字になってしまう。
- 決勝戦は接戦だったが、なんとか勝利を収めることができた。
- その短編は、作家A氏の全集に収められている。
- もうそろそろ怒りを収めた[治めた]ほうが良い。
「修める」
「修める」の意味は、①こころや行いを正しくして人格を磨く、②学問・技芸を身に着ける、③壊れたところを直す・繕う(つくろう)、です。現代では③の意味ではほとんど用いられません。
【例文】
- 自分の言動を正しく修めるように努めることを「修身(しゅうしん)」というが、昔の小学校では教科に入っていたらしい。
- 大学で法律と経済学を修めたが、今はフリーターをしている。
- 中学を卒業してすぐ師匠に弟子入りして落語の芸を修め、ようやく真打になった。
「納める」
「納める」には、①決まったところにしまう。一定の枠に入れる、②金や物を相手に渡す、③終わりにする、といった意味があります。①は「収める」の①と同じ意味です。
【例文】
- 今日届いた雑誌類を書架に納めた[収めた]。
- 毎月月末にマンションの管理費を口座引き落としで納めている。
- 今日は仕事納めだけど、定時に帰れそうにない。
「治める」
「治める」には、①統治する・安定させる、②混乱をしずめる、③病気をなおす、などの意味があります。ただし、③は古典の用法なので現代では使われていません。
【例文】
- 漢文の時間に「水を治めることは、国を治めること」ということわざ習ったのを思い出した。
- 外国で暴動が起こったと報道されているが、いつ治まる[収まる]のか見通しがつかないようだ。