「収める」とは?
「収める」と「納める」には意味が重なる部分があるので一緒にご紹介します。
「収める」と「納める」に共通する意味
- 「物をある物の中にきちんと入れる。しまう。また、ある範囲内にきちんと入るようにする。」
- 「受け取って自分のものとする。」
- 「乱れた状態を鎮める。乱れを収束させる。治める。」
「収める」だけが持つ意味
- 「記憶や記録に残るようにする。」
- 「よい記録や結果を生み出す。」
「納める」だけが持つ意味
- 「金品を受け取り手のもとに入れる。納入する。」
- 「物事を終わりにする。やめる。」
「収める」と「納める」は「きちんと中に入れる」という意味合いを持つ言葉で、基本的には「収める」が使われますが、渡すべきお金や物を入れるという時に「納める」が使われます。
「収める」の使い方
「ものをきまった所にしまう」の意味で使われる例
「完成された製品を倉庫に収めておく。」
「売上金は即座に金庫に収めることにしている。」
「その侍は相手が敵ではないことがわかると、刀を鞘に収めた。」
「なんとか今回の計画を予算の枠内で収めたい。」
「受け取って自分のものにする」の意味で使われる例
「議員はそっと賄賂を懐に収めた。」
「こちらつまらない物ですが、どうかお収め下さい。」
「彼は最後まで諦めずに奮闘し勝利を収めた。」
「長年欲しかった車をついに手中に収めた。」
「記録や記憶に残るようにする」の意味で使われる例
「誕生日の娘の様子をカメラに収めておく。」
「今回のことは胸に収めて忘れないようにしよう。」
「乱れた状態を鎮める」の意味で使われる例
「彼は物事を円満に収めるため尽力した。」
「その大統領は紛争を収めたことで評価されている。」
「よい記録や結果を生み出す」の意味で使われる例
「彼はテニスの大会で好成績を収め、大学から推薦をもらった。」
「今回のプロジェクトが好評におわり、高収益を収める結果となった。」
「治める」と「修める」は?
「治める」には「世の中や家の中を秩序ある状態にする。統治する。」や「病気などを治す。」という意味や「収める」と同じように「乱れを鎮めて、安定した状態にする」という意味があります。「国を治める」「痛みが治まる」という風に支配する、鎮める意味合いで使われます。
「修める」には「行いや人格を正しくする。心や行動が乱れないように整える。」、「学問・技芸などを学んで、自分のものにする。修得する。」という意味があります。「身を修める」「学問を修める」という風に心や行いを正しくする、身に着けるという意味合いで使われます。
「収める」の類語
「収納する」
「収納する」とは「中に入れてしまっておくこと。」、「現金や品物などを受け取っておさめること。」、「国や地方公共団体が租税などの現金を受領すること。」、「農作物などを取り入れること。」といった意味を持つ言葉です。「収める」と「納める」が組み合わさり作られた言葉なので、中にしまうといった意味合いがあります。「冬服をたんすに収納しておく。」
「保管する」
「保管する」とは「物品を預かって、傷つけたり失ったりしないように保存・管理すること。」という意味の言葉です。「大切な書類を金庫で厳重に保管する。」
「受納する」
「受納する」とは「贈り物の金品などを、受け取っておさめること。」を意味する言葉です。「物を受け取って自分のものとする」という意味を持つ「収める」と近い意味を持つ言葉です。「極上の品を受納する。」
「鎮圧する」
「鎮圧する」とは「反乱や暴動を武力を使ってしずめること。」、「耕地をすき起こして土をならし、地面をおさえつけて平らにすること。」を意味する言葉です。「収める」の「騒ぎや乱れを鎮めて静かな状態にする」という意味と似たような意味の言葉です。「機動隊が駅前のデモ隊を鎮圧した。」