俗物とは?俗物の意味
名誉や利益に執着するつまらない人物、無学で風流を解さない人
俗物の説明
「俗物」は「ぞくぶつ」と読み、物質的な利益や社会的な地位ばかりを追い求める人を指す言葉です。美的感覚や教養よりも、目先の利益や評価を重視する傾向があり、しばしば軽蔑的なニュアンスで使われます。例えば、芸術作品の価値を理解せず、金銭的な価値しか見出せない人や、他人の評価ばかりを気にして自分らしさを失っている人に対して用いられます。また、「俗物的」や「俗物根性」といった派生語もあり、より性格や性質に焦点を当てた表現として使われることも特徴です。
自分らしさを大切にしながら、バランスの取れた価値観を持ちたいものですね。
俗物の由来・語源
「俗物」の語源は、仏教用語に由来するとされています。元々は「俗」が世俗や一般大衆を、「物」が存在や者を指し、修行を積まない一般の人々を意味していました。江戸時代頃から次第に、物質的な利益や名誉に執着する浅はかな人という現代の意味合いで使われるようになりました。特に商人文化が発展した元禄時代以降、金銭や地位ばかりを追い求める人々を批判する言葉として広く浸透していった歴史があります。
言葉の持つ力は時代とともに変化するものですね。自分らしさを大切にしながら、バランスの取れた価値観を持ちたいものです。
俗物の豆知識
面白いことに、「俗物」は自己批判として使われることも少なくありません。例えば「私は俗物なので、つい値段の高いものを選んでしまいます」といった使い方です。また、文学の世界では夏目漱石や太宰治など多くの文豪が作品の中でこの言葉を効果的に使用しており、登場人物の性格描写や社会批判に用いられています。現代ではネットスラングとして「俗物野郎」などの派生表現も生まれ、SNS上で軽い冗談交じりに使われることもあります。
俗物のエピソード・逸話
作家の太宰治は『人間失格』の中で「俗物」という言葉を繰り返し使用しています。実際の太宰自身も、エリート意識の強いインテリ層を「俗物」と批判する一方で、自分もまた俗物であるという自嘲的な態度を見せていました。また、実業家の松下幸之助は「商売人は俗物と言われるが、むしろ俗物であることを自覚し、その上で社会に貢献することを考えよ」と語り、俗物性を否定せずに前向きに捉える考え方を示しました。さらに現代では、芸術家のヤンさん・ミュラー氏が「真の藝術家は俗物であってはならない」と発言し、物議を醸したこともあります。
俗物の言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「俗物」は「俗」と「物」の複合語であり、漢語由来の二字熟語です。「俗」は「風俗」「俗世間」などと同様、一般大衆や平凡なことを表す接辞として機能しています。一方、「物」は「人物」「物事」などのように、具体的な存在を指す接尾語的な役割を持っています。この言葉の面白い点は、時代とともに意味が変化していることで、元々は中立的な意味だったものが、次第に否定的なニュアンスを強めていきました。また、「俗物根性」「俗物的」といった派生語が生まれたことから、日本語の造語力の高さも窺えます。
俗物の例文
- 1 友達と美術館に行ったら、つい『この絵、いくらするんだろう』と言ってしまい、自分でも俗物だなと反省した
- 2 ブランド物のバッグを見ると、どうしても値札が気になってしまう…そんな自分がちょっと俗物に思える
- 3 SNSで友達の成功報告を見ると、祝福したい気持ちと同時に妬みのような感情も湧いてきて、自分は俗物なのかもと落ち込む
- 4 年収や肩書で人を判断してしまいそうになる瞬間があって、そんなときは自分の俗物根性に嫌気がさす
- 5 本当は内容が大切なのに、つい有名大学出身かどうかで人を評価しがちな自分がいて、俗物だなと自覚する
「俗物」の使用上の注意点
「俗物」は強い批判的なニュアンスを含む言葉です。不用意に他人に対して使うと、人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。特にビジネスシーンや目上の人に対しては、たとえ冗談でも使用を避けるのが無難でしょう。
- 直接的な人格批判と受け取られる可能性がある
- 冗談のつもりでも、相手を深く傷つける恐れがある
- 自己批判として使う場合は、軽いニュアンスで
- 文脈や相手との関係性を十分に考慮して使用する
言葉は刃物のように、使い方を誤れば人を傷つける凶器となる
— ことわざ
関連用語とその違い
| 用語 | 意味 | 俗物との違い |
|---|---|---|
| 凡俗 | 世間並みで高尚でない様子 | より一般的で軽いニュアンス |
| 下劣 | 品性が卑しく下品なこと | 道徳的な卑しさに重点 |
| スノッブ | 通ぶる態度を見せる人 | 見せかけの教養を強調 |
| 拝金主義者 | 金銭至上主義の人 | 金銭への執着に特化 |
これらの用語は似ているようで、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。状況に応じて適切な言葉を選ぶことが、より正確な表現につながります。
現代社会における「俗物」の捉え方
現代では、「俗物」の概念はより複雑になっています。SNSの普及により、表面的な成功や物質的な豊かさが強調される傾向があり、誰もが多少の「俗物性」を持っていると言えるかもしれません。重要なのは、自覚的にバランスを取ることです。
- 物質的価値と精神的価値のバランスを意識する
- 自分なりの価値観を持つことが大切
- 他人の「俗物性」を批判する前に自己内省を
- 多様な価値観を認め合う寛容さを持つ
よくある質問(FAQ)
俗物って具体的にどんな人のことを指すんですか?
俗物とは、物質的な利益や社会的地位ばかりを重視する人のことです。例えば、芸術作品の価値を理解せずに値段しか気にしない人や、人の価値を収入や学歴で判断する人などが該当します。要するに、目先の損得や世間体ばかりを気にする傾向が強い人と言えるでしょう。
俗物って自分で自分を言うこともありますか?
はい、自己批判や自嘲的な意味合いで使われることがよくあります。例えば『私は俗物だから、ついブランド品に目が行ってしまう』といった使い方です。この場合、自分の物質主義的な傾向を認めつつ、少し恥ずかしさや反省の気持ちを込めて使われることが多いです。
俗物と普通の人の違いは何ですか?
大きな違いはバランス感覚にあります。普通の人もお金や地位を気にしますが、同時に人間関係や趣味、精神的な豊かさも大切にします。一方、俗物は物質的な利益や社会的評価に過度に執着し、他の価値観を軽視する傾向があります。要するに、一つの価値観に偏りすぎているかどうかが分かれ目と言えるでしょう。
俗物って悪いことばかりですか?
必ずしも悪いことばかりではありません。現実的な思考や経済感覚を持つことは社会生活において重要です。問題はバランスで、物質的なことだけに固執せず、精神的・文化的な価値も尊重できるかどうかが大切です。適度な現実主義はむしろ健全と言えるでしょう。
俗物にならないためにはどうすればいいですか?
まずは多様な価値観に触れることが大切です。美術や文学に親しんだり、様々な背景の人と交流したりすることで、物質的な価値以外の豊かさに気づけます。また、自分がなぜお金や地位を気にするのかを内省し、本当に大切にしたいものを見極める時間を作ることも効果的です。