「共白髪」とは?意味や使い方をご紹介

「共白髪」という言葉を聞いたことがありますか?普段使うことはあまりありませんが、結納や結婚を機に知ったという方もいらっしゃるでしょう。「共白髪」は、夫婦にまつわる良い意味の言葉です。今回は「共白髪」の意味や使い方を類語とともにご紹介します。

目次

  1. 「共白髪」の意味
  2. 「共白髪」の使い方
  3. 結納品としての「ともしらが」
  4. 「共白髪」の類語
  5. 夫婦にまつわる成句

「共白髪」の意味

共白髪(ともしらが)」とは、夫婦が共に白髪になるまで長生きをすることです。ただ「夫婦が共に長生き」というだけではなく、多くの場合、二人が老いるまで、夫婦が仲睦まじく連れ添うことを意味します。

「共白髪」の使い方

「共白髪」は、夫婦揃って長生きしている人に対して使うことよりも、愛し合う二人や、すでに結婚している夫婦などが「いつまでも仲睦まじく共に過ごせるように」と願って使うことが多いです。そのため、結婚式のスピーチなどでも使われます。

「共白髪まで」「共白髪になるまで」といったかたちで使われることが多いようです。

例文

  • 結婚したばかりの息子夫婦には、共白髪まで仲良く暮らして欲しいものだ。
  • 共白髪まで仲睦まじくいよう」と二人で笑顔で話していた頃が懐かしい。
  • 夫婦二人、共白髪になるまで共に生きてこられたことに感謝しかない。

結納品としての「ともしらが」

婚約が成立したことの証として行われる儀式が「結納」です。そこで取り交わされる結納品の中に「ともしらが」があります。多くの場合、「友白髪」と書きますが、「共白髪」「友志良賀」と地域によって表記のしかたはさまざまです。

「ともしらが」は、白い麻糸を束ねて人間の白髪に見立てたものです。「白髪になるまで長生きできますように」という長寿の願いと、「丈夫な麻糸のように強い絆で夫婦が結ばれますように」という夫婦円満の願いが込められています。

結納品として「ともしらが」を用いるのは、主に関東式の結納です。関西式では「ともしらが」ではなく、同じ意味を持つ、老夫婦をかたどった「高砂人形」を用いるのが一般的です。地域によっては「ともしらが」と「高砂人形」の両方を贈ります。

「共白髪」の類語

諸白髪(もろしらが)

諸白髪(もろしらが)」には、夫婦が共に年老いて白髪になることという意味があります。また、髪がすっかり白髪になることも「諸白髪」と言います。

【例文】

  • 夫婦喧嘩をすることもほとんどなく、諸白髪となる年齢まで夫と一緒に生きてきた。
  • 諸白髪になるまで仲良く連れ添っていこうと、結婚するときに二人で誓い合った。

偕老(かいろう)

偕老(かいろう)」は、共に老いるまで、夫婦仲良く連れ添うという意味です。「偕」には「ともに」という意味があり、「偕老」という漢字は「老いを偕(とも)にする」ことを表しています。

ちなみに、「偕老」を用いた四字熟語に「偕老同穴(かいろうどうけつ)」があり、こちらも「夫婦が共に老いるまで仲睦まじく連れ添う」という意味です。「同穴」は「同じ穴に葬られる」ことを意味し、「共に老いるまで生き、死んだら一緒に葬られる」ことを表します。

【例文】

  • 若い頃に妻と偕老の契りを交わしたときには遠い話だと思っていたが、共に老いるまでの時間はあっという間だった。
  • 老いてもなお「偕老同穴ですよ」と笑顔で言ってくれる妻には感謝しかない。

夫婦にまつわる成句

鴛鴦の契り(えんおうのちぎり)

鴛鴦の契り(えんおうのちぎり)」は、夫婦が仲睦まじいことのたとえです。「鴛鴦」とは、オシドリのつがいのことを指します。「鴛(えん)」が雄で「鴦(おう)」が雌です。

オシドリのつがいはいつも離れることなく一緒にいることから、夫婦仲が良いことのたとえとして使われることが多く、「おしどり夫婦」もその一つです。「鴛鴦の契り」は、夫婦に対してのみ使う表現ですので、強い絆で結ばれた仲間などには使えません。

【例文】

  • 将来、私が結婚するときには、パートナーと鴛鴦の契りを結びたい。
  • 私の両親は昔からとにかく仲が良く、鴛鴦の契りという表現にふさわしい人たちだ。

琴瑟相和す(きんしつあいわす)

琴瑟相和す(きんしつあいわす)」は、夫婦の仲が極めて良いことのたとえです。「琴瑟(きんしつ)」の「琴(きん)」は、5弦または7弦の小さな琴(こと)を、「瑟(しつ)」は、23~27弦の大きな琴を指します。また、「相和す」は「調和する」という意味です。

2種類の琴の音が見事に調和することから、仲睦まじい夫婦を表すのに使います。また、仲の良い兄弟や友人に対しても使うことができ、とても仲の良い人間関係を表すたとえとして幅広く用いることが可能です。

【例文】

  • 私の祖父母は琴瑟相和す夫婦仲だったのだが、両親は正反対でケンカが絶えない。
  • 私の家の隣に住む兄弟は琴瑟相和すでとても仲が良く、見ていて微笑ましい。

比翼連理(ひよくれんり)

比翼連理(ひよくれんり)」とは、夫婦が仲睦まじく、とても深い愛情で強く結ばれていることのたとえです。「比翼(ひよく)」は「比翼の鳥」のことで、目と翼が一つずつの雌雄の鳥がいつも一体となって飛ぶという中国の伝説上の鳥のことです。

また、「連理(れんり)」は「連理の枝」のことを言い、一本の木の枝や幹が、他の木の枝や幹とくっついて木目がつながることです。それぞれ「比翼の鳥」「連理の枝」という言葉を、仲睦まじい夫婦のたとえとして使うこともできます。

【例文】

  • 私の友人夫婦は比翼連理という言葉がぴったりな仲睦まじい夫婦だ。
  • 比翼連理の契りと他の人から言われると重く感じるが、それほどの深い愛情で私は夫と結ばれていると思う。


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