「キャラバン」の意味
「キャラバン」は、英語の「caravan」をカタカナで表した語です。「隊商」を意味する「カールバーン(Karvan)」というペルシア語に由来しています。
「キャラバン」には以下のような意味があります。
- 隊を組んで砂漠を行く商人の集団。隊商。
- 商品の宣伝・販売や取材活動などのために、隊を組んで各地をまわること。その集団。
- 調査や登山のために奥地や高山に入ること。その調査隊や登山隊。
- 自動車などで牽引される、四輪車や二輪車のついた移動型住宅。トレーラーハウス。
「キャラバン」の使い方
「キャラバン」には複数の意味がありますから、先述の意味の番号と対応するかたちで「キャラバン」の使い方について例文を用いてご紹介します。
例文
- 何百年も前に多くのキャラバンが歩いたこの道を私も同じように歩いていると思うと、ロマンを感じる。
- 新商品の販売促進のため、全国各地をまわるキャラバンを組んだ。
- 高山植物の研究のため、複数の大学の研究室の学生でキャラバンを組むことになった。
- キャラバンで旅をすると、時間による制限から解放されるような気がする。
「キャラバン」の意味にある「隊商」とは?
「隊商(たいしょう)」とは、隊を組んで商品を運ぶ商人や、聖地を巡る巡礼者、旅行者のことです。隊商はアジアの内陸や北アフリカの砂漠などを旅しましたが、道中の危険に備えるため、集団で移動しました。
旅をした商人の中ではイラン系のソグド人が有名ですが、アラビア人やモンゴル人、漢民族など、多くの民族が隊商を組んで交易をおこないました。
隊商の活動によって、ヨーロッパやアジアの物や文化の交流が進みました。しかし、大航海時代の海上交通の発展など、交通手段の発達にともなって隊商による活動は少なくなっていき、現在ではほとんど見られなくなりました。
「隊商」と関係の深い言葉:キャラバンルート
「キャラバンルート」とは、キャラバンが旅の際に使っていた交通路のことです。「隊商路」とも言います。最も有名なキャラバンルートとしては、地中海から東アジアまで、中央アジアを東西に横断しているシルクロードが挙げられるでしょう。
交通手段の発達とともに、キャラバンルートも使われなくなっていきましたが、現在も残っている地域はあるようです。
「隊商」と関係の深い言葉:キャラバンサライ
「キャラバンサライ」とは、キャラバンが利用していた宿泊施設のことです。「キャラバンサリー」「隊商宿」とも言います。
キャラバンサライは、外敵や災害を防ぐために周りは頑丈な壁で囲まれ、中庭に面するかたちで建物が建てられました。
「キャラバン」の関連語
「キャラバン」の関連語として、「旅」や「外国」が関係する商売についての言葉をご紹介します。
旅商人(たびあきんど)
「旅商人(たびあきんど)」とは、各地を旅してまわりながら商品の売買をおこなって商売をする人のことです。「たびあきうど」「たびあきゅうど」「たびしょうにん」と複数の読み方があります。
【例文】
- うちの先祖には旅商人をしていた人がいたらしい。
- 旅商人は何にも縛られず自由な人のように感じるが、実際はどうだったのだろうか。
外商(がいしょう)
「外商(がいしょう)」には、外国の商人・商社や外国との商売という意味と、売り場を通すことなくお客に商品を直接販売することという意味があります。後者の意味については、デパートの外商部などがよく知られている例と言えるでしょう。
【例文】
- 語学が堪能なことが評価され、外商担当の部署へと異動になった。
- 売り場でしか買い物をしたことのない私にとって、デパートの外商部の人と直接やり取りをする買い物は未知の世界だ。
「キャラバン」を含む言葉
「キャラバン」という言葉は、店名などさまざまなところで使われていますが、一般的に広く用いられている「キャラバン」を含んだ言葉について見てみましょう。
キャラバンシューズ
「キャラバンシューズ」は、足の甲の部分が布や革で作られ、底の部分はタイヤのように溝の深い硬質ゴムで作られている軽登山やハイキング用の靴のことです。
現在は「キャラバンシューズ」ではなく「トレッキングシューズ」と呼ばれることの方が多いようです。「キャラバンシューズ」は商標名であり、略して「キャラバン」と呼ばれることもあります。
メディアキャラバン
「メディアキャラバン」とは、主に企業の広報担当者が自社の商品やサービス、また自社そのものを紹介するために、記者やメディアといったマスコミ関係者を訪問する活動のことです。
商品などの情報を提供するだけでなく、マスコミ関係者との人脈形成や情報収集を目的に行うこともあります。