「またとない」の意味
「またとない」は、連語(複数の単語がつながって、一つの単語と同様に使われる語)で、二度と同じことは起こらないという意味です。漢字では「又と無い」と表記します。
「また」は、再びという意味で、同じ物事がもう一度起こる様子を言います。「と」は格助詞で、「~とない」の形で下に打ち消しの言葉をともなった場合、わずかなことであっても「~ない」と否定するニュアンスが入ります。
「またとない」の使い方
「またとない」は、形容詞のように後に来る名詞を修飾する形で、ポジティブな意味を持ちます。対象となった物や人を他で見ることがないと褒(ほ)める、行動を起こすのに適切な時を表すといった意味で使います。
【非常に珍しい物事や人物を指して使う例】
- またとない逸品(類を見ない素晴らしい品)
- またとない才人(他で見られないほど優れた人物)
- またとない喜び(二度とないくらい喜ばしい出来事)
【物事を行うのにちょうど良いことを指す例】
またとない好機(二度とないほどの良い機会)
「またとない」を使った例文
- こちらの屏風(びょうぶ)はまたとない品です。家宝として大切に保管してください。
- 彼は大学を首席で卒業して、企業でも素晴らしい成果を残したまたとない人物です。
- 尊敬する先生に認められるのは、またとない喜びです。
- 名前を売るためのまたとない好機だ。しっかりやらなくちゃね。
- 降板した人の代役に選ばれるなんで、またとないチャンスだ。
「またとない」の類語
千載一遇
「千載一遇」(せんざいいちぐう)とは、めったにないことを表す四字熟語です。「千載一遇のチャンス」、「千載一遇の機会」などの好機を表す言葉が後について、めったにないほどの好機が巡ってくる様子を表すことが多いです。
「千載」は千年の間のこと、非常に長い期間のたとえ、「一遇」は1回会うことです。千年の期間を経て1度しか会うくらいですので、非常に珍しいことを表すのが分かるでしょう。
【例文】
高名な〇〇先生に作品を直接見てもらえるなんて、千載一遇のチャンスだ。
優曇華の花
「優曇華の花」(うどんげのはな)とは、非常にまれであるということです。優曇華の花を見るのが難しいところから、滅多にないことに例えています。
「優曇華」は、インドの想像上の植物で3千年に1度花が咲き、開花した時にはインド神話の「転輪聖王(てんりんじょうおう)」が姿を表すと言われています。
【例文】
母の日に子供からプレゼントをもらうなんて、優曇華の花のように思えるよ。
不世出
「不世出」(ふせいしゅつ)とは、世の中になかなか出てこない(現れない)くらい優れているということです。主に優秀な人物を褒める時に使われます。
【例文】
一社員から叩き上げで社長にまで出世し、業績を上方に上向かせた不世出の人物だ。