「地元」とは?意味や使い方をご紹介

「あなたの地元はどこですか」と聞かれて、即答できる人は何人いるでしょう。「生まれはどこ?」と聞かれれば、ほとんどの人はすぐに答えられますよね。この記事では、「地元」について意味や使い方などとともに「出生地」「出身地」「故郷」との意味の違いもご紹介します。

目次

  1. 「地元」とは
  2. 「地元」の使い方
  3. 「地元」と「出生地・出身地・故郷」の違い

「地元」とは

「地元」には、以下のように二つの意味があります。

  1. あることに直接関係がある土地
  2. 自分の住んでいる土地出身地または、ある人の勢力範囲の土地

「地元」の使い方

1の意味の「地元」

1の意味で用いられる「地元」には、開発予定地や、報道などで言われる被災地や大規模な事故現場などが相当します。ある物事についての該当地域、現地と言い換えられる場所のことです。

【例文】

  • 大地震が発生し、地元の放送局から被災地の状況を映した生の映像が送られてきた。
  • オリンピックの競技開催地に決まり、地元関係者が大いに喜んだ。
  • 事件発生を受けて本庁との合同捜査が決まり、地元警察署に捜査本部が設置された。
  • 通販で購入した食材が、地元の生産者から直送された。
  • 本拠地での優勝決定戦ということもあり、地元のファンが球場に大勢集まった。

2の意味の「地元」

2の意味においては、現在住んでいる土地や出身地のほかにも、議員の選挙基盤となる地域、顧客が多い地域などを表すことがあります。選挙の時期になると「議員の地元」という言葉がよく聞かれますよね。

また、「地元」という言葉は、その土地に対する「思い入れ」や「愛着」などの感情を込めて使う場合もあります。この用法は「出身地」と関係があるのですが、これについては後述します。

【例文】

  • 非常事態のさなか、地元有力者とゴルフをしていた大臣がマスコミから厳しく糾弾(きゅうだん)された。
  • 地産地消のブームで、これまで都会で売られていた地元の食材が、近所のスーパーでも売られるようになった。
  • 私の住んでいる町には、江戸時代に創業した地元の産業がたくさんある。
  • 彼は、高校卒業後、東京の大学に進学したが、就職を機に地元に戻ってきた。
  • その作家は、地元の風物や出来事に取材した作品が多い。

「地元」と「出生地・出身地・故郷」の違い


ここでは、「地元」と、「出生地・出身地・故郷」の関連性や違いについて考察します。

「出生地」

「出生地(しゅっしょうち)」は、文字どおり「生まれた土地」ということです。尋ねられ方によって、国名を答えることもあれば、都道府県などの地域名を答えることもあるでしょう。

生まれてから現在までずっと同じ土地に住んでいる人にとっては「地元」=「出生地」ですが、生活拠点を移動した人にとっては「地元」≠「出生地」です。「出生地」が変わることはないのですが、「出身地」や「故郷」は場合により変わってきます。

「出身地」

「出身地」は、「人が生まれた土地。あるいは、生まれ育った土地」という意味です。「生まれた土地」という点では「出生地」と同じですが、「生まれた土地」と「育った土地」が違う人もいます。そういう人の「出身地」はどこになるのでしょうか。

法的な根拠はありませんが、「育った」ということがポイントになるでしょう。ここで言う「育った」とは、親兄弟を含めて周囲の大人や社会の庇護を受けて育ったと考えることができます。つまり、「未成年時代を過ごした土地」が「出身地」と言えるのではないでしょうか。

また、親の仕事の都合などで転居を繰り返した人の場合は、最も印象深かった土地や思い入れのある土地を「出身地」と呼ぶかもしれません。この「印象深い」「思い入れのある」という点において、「地元」=「出身地」であると言えます。

「故郷」

「故郷(こきょう・ふるさと)」の意味も「生まれ育った土地」です。「出身地」と同じ意味という点では、「地元」=「故郷」と言えます。

「故郷」を懐かしく思う気持ちを表す「望郷(ぼうきょう)の念」という言葉があります。この気持ちは、「故郷」に対する「愛着や思い入れ」から生まれるものです。思い入れは人それぞれですから、「出身地」≠「故郷」、ひいては、「地元」≠「故郷」という場合もあり得ますね

このニュアンスは、「心のふるさと」という言葉はあっても「心の地元」「心の出身地」とは言わないことからも推察することができます。「地元」を「故郷」と同義とするかどうかは、そのときの自分の思いの程度で使い分ければいいでしょう。


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