「去就」とは?意味や使い方をご紹介

「去就」という言葉をご存じでしょうか。普段はあまり聞いたり使ったりすることのない言葉ですが、政界スキャンダルや汚職事件、企業の経営難などの報道を見ていると見つけることができます。この記事では、「去就」について、意味や使い方とともに類語などをご紹介します。

目次

  1. 「去就」とは
  2. 「去就」の使い方
  3. 「去就」の類義語
  4. 「去就」の四字熟語

「去就」とは

「去就(きょしゅう)」とは、①「離れることとつき従うこと」、②「地位や役職から退くことと留まること。どのように身を処すかの態度」を意味する言葉です。

「去」には、①「さる。ゆく(例:過去)」、②「のぞく。とりさる(例:撤去)」、③「死ぬ(例:死去、逝去)」という意味があり、「去就」の「去」は、①の意味で用いられています。

「就」には、①「仕事や任務につく(例:就職、就任)」、②「なる。成し遂げる(例:成就)」、③「~に関して」という意味があり、「去就」の「就」は、①の意味で用いられています。

「去就」の使い方

「去就」は、「現在の地位や立場から退くのか、あるいは留まるのか決断を迫られる場合」に使われることが多い言葉です。そのため、ビジネスや国政などにおける責任者に対して使われます。

【例文】

  • 不景気による業績悪化を受けて退陣要求が激しくなった今、社長は去就の判断を迫られている。
  • 外交政策の失敗を受けて、野党の激しい攻撃の中、首相の去就が注目されている。
  • 成績不振のさなか、監督はシーズン中盤での去就を決めかねていた。
  • リコールが続き、株主総会では経営陣の去就を明らかにするよう求める声が多かった。

「去就」の類義語

「去就」の類義語の代表的なものに「進退」があります。「進退」には以下の意味があります。

  1. 進むことと退くこと。動くこと:「進退窮(きわ)まる」など
  2. 身を動かすこと。立ち居振る舞い:「挙措(きょそ)進退」など
  3. 職を辞めるかとどまるかという、身のふりかた。
  4. (古典での用法)心のままに扱うこと。自由に支配すること。

「進退」は3の意味において「去就」の類義語と言えます。

「進退」の使い方

「進退」も「去就」と同じように責任ある立場の人間に対して使われることが多い言葉です。しかし「去就」よりも幅広く使われる傾向があり、さほど地位に関係なく用いられる例もあります。

【例文】

  • 今回のプロジェクトの失敗は、現場責任者の進退問題に発展するかもしれない。
  • 冤罪の汚名を着せられ、進退窮まったと覚悟していたが、裁判でアリバイを証言してくれた証人に救われた。

「去就」の四字熟語

「去就進退(進退去就)」

「去就」と「進退」、同じ意味の言葉を合わせて、意味を強めた「去就進退」「進退去就」という四字熟語があります。意味は「現在の仕事や地位に留まるか辞めるかといった、これからの対応の仕方」のことを言います。

【例文】

  • 私の今後の去就進退(進退去就)については、自分自身で決めることにする。
  • あのスキャンダルが、進退去就(去就進退)にまで発展するとは思いもよらなかった。

「去就進退」と似た意味の四字熟語「出処進退」

「出処進退(しゅっしょしんたい)」も「去就」や「進退」の類語です。「出処」はもともと「官に仕えることと、民間にいること(または野に下ること)」を表しました。そこから「現在の地位に留まるか退くか」という意味に転化しました。

【例文】

  • 社長は役員会で、現在の問題が解決したら出処進退を明らかにすると明言した。
  • あの政治家は、出処進退を誤ったために悪徳政治家の烙印(らくいん)を押されてしまった。


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