「得策」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

風邪気味の友人に今日は休んだ方が「得策だよ」と助言したという話を聞きました。確かにその通りではありますが、一体「得策」とはどういう意味を持っているのでしょう。理解した上で正しい日本語を使いたいですね。この記事では「得策」の意味や使い方を類語を含め紹介します。

目次

  1. 「得策」の意味
  2. 「得策」の使い方
  3. 「得策」の類語
  4. 「得策」の対義語
  5. 「得策」を英語で

「得策」の意味

「得策(とくさく)」には、「利益のあるはかりごと。うまいやり方」という意味があります。少し難しいですが、「はかりごと」とは「もくろみ。計略」を指します。つまり、「結果として利益が生まれるようなうまい計略」のことです。

「AよりもBを選んだ方が得策である」というのは「AではなくBを選んだ方が将来的に考えても利益が出る(得する)」という意味になります。

「得策」の使い方

「得策」は、2つ以上の選択肢を比較して、その中から最も将来的に利益の出る選択肢を選ぶ時に使われる言葉です。例えば「今日は遊ぶ、勉強する、寝るのうちどれが得策か」という風に使います。

もちろん絶対的な正解はありません。ストレスが溜まっていれば「遊ぶ」、成績が落ちているなら「勉強」、疲れているなら「寝る」を選択すれば良いのです。何が得策かはその人の考え方や状態によって変化するものです。

例文

  • 明日は雪が降って交通に障害が起きるかもしれないので、今日中に明日の分の食料も買ってきた方が得策だな。
  • 試験が近づいて焦る気持ちもわからなくはないが、風邪を引いては意味がないのでしっかりと休みを取ることが得策だろう。
  • その仕事は引き受けた方が得策だよ。きっと君にとってもスキルアップにつながるはずだ。
  • 現地まで鉄道を使う方法と車を使う方法があるのだけれど、どちらが得策だと思う?

「得策」の類語

「良策」

「良策(りょうさく)」は、「よいはかりごと。すぐれた計画」という意味です。意味だけを見ると、「得策」との違いが分かりづらいですが、「利益」は、その「はかりごと」に関係ありません。

「得策」「良策」ともに優れた計画に違いありませんが、「得策」には、結果的な「利益」が絡むと覚えておきましょう。

【例文】

  • 彼は素行の悪い生徒だと噂になっているので、始めから関わらないのが良策だろう。
  • 今回の対抗試合に向けてキャプテンは良策を練って望んでいた。
  • 良策を持ってしても彼に勉強で勝ることは出来なかった。

「妙計」

「妙計(みょうけい)」は、「優れて巧みな術策。妙策」という意味です。「妙計奇策(みょうけいきさく)」という四字熟語がありますが、「それまでに誰も思い付かなかったような計略。奇抜で意表をつくようなはかりごと」のことを指します。

文献によっては、「奇策妙計」と順序の逆になった表記もありますが、意味は同じです。「得策」よりも「良策」に近い言葉と言えます。

【例文】

  • 彼の妙計は見事に的を射て、敵兵の撤退につながった。
  • 彼女の妙計によってわが社はコンペで成功をおさめることが出来た。

「得策」の対義語

「愚策」

「愚策(ぐさく)」は「おろかな策略。自分の策略の謙譲語」という意味です。「愚策を弄する」という慣用句がありますが、「浅はかでつまらない策略を用いること」「自分の考えた策略を謙遜してつまらない策だということ」を表しています。

【例文】

  • 彼の仕掛けた策略は明らかに愚策だった。その結果わがチームは敗退したに違いない。
  • 愚策を弄する時間は無いというのに、彼女は一体何を考えているのだろう。

「得策」を英語で

「得策」を英語にすると「the wise(best) policy」「the best plan」などが使われます。どちらも「(一番)良い計画・策である」という意味になります。また「AよりBの方が得策だ」のように比較表現ならば「had better do B」と表記することも可能です。

【例文】

  • I thought it would be the best policy to finish the task by the end of the day.(私は今日中に課題を終わらせることが得策だと考えなおした。)
  • I think it's better to take her opinion than his.(彼の意見よりも彼女の意見に乗った方が得策だと思う。)


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