「バッチグー」とは
「バッチグー」とは、大変満足であることを表す日本語の「ばっちり」と、英語の「good(良い)」の変化形「グー」がくっ付いてできた言葉です。文句のつけようがないくらい素晴らしいという意味で使われます。
1990年代にテレビのバラエティ番組内で使われはじめ、1995年頃にかけて流行しました。当時「バッチグー」は子どもから大人まで、誰もが知る言葉だったようです。
今ではあまり聞かれなくなったものの、商品名の一部として採用されるなど、形を変えて生き続けている言葉です。
「バッチグー」を使った例文
- 口紅の色を変えたら、表情がかなり明るくなってバッチグー!
- この間提出してもらった資料は、非常にわかりやすくてバッチグーだよ。
- 単位をひとつも落とすことなく無事に卒業できてバッチグーだね。
- 彼とは趣味も性格も共通点が多くて、相性がバッチグー!
- 君が接待に選んだお店、先方からの評判がかなり良かったよ。バッチグーなセンスだ。
「バッチグー」の生みの親
「バッチグー」という言葉が誕生したのは1990年代の初めのことです。バラエティアイドル(通称:バラドル)として活躍していた森口博子さんが、フジテレビ系の人気バラエティ『クイズ!年の差なんて』で発したのが最初だといわれています。
この番組は、回答者が若者(ヤング)と大人(アダルト)のチームに分かれ、それぞれの世代の常識問題に答えていくクイズ形式でした。正解を競い合う中で、森口さんの口から出たのが「バッチグー」という言葉でした。
「バッチグー」は、わかりやすさと軽快な響きから、共演者たちにすぐに受け入れられました。その後も森口さんが多用したため、この言葉は視聴者にも世代を超えて広く知れ渡り、森口さんの人気とあいまって当時の流行語となったのです。
「バッチグー」が商品名に
2002年、バンダイ株式会社からメイキングホビー『Canバッチgood!(カンバッチグー)』が発売されました。ファッションアイテムとして人気の高い「缶バッジ」を、オリジナルデザインで手軽に作ることができる玩具です。
ここでひとつお気づきになりましたか?実は「缶バッジ(badge)」が正しく、「缶バッチ」は誤った表記なのです。しかしあえて商品名を『Canバッチgood!』と「バッチ」表記にしたのは、「バッチグー」と掛けたからだと言われています。
当初この商品のターゲットは小学生の女児でしたが、販売を開始するとファン層は中高生から大人にまで及びました。さらに、大ヒットを受けて『Canバッチgood!』はシリーズ化され、2016年までに全世界で累計350 万個以上を販売しました。
『Canバッチgood!』はその後もデザインや仕様のリニューアルを重ね、現在も変わらない人気を誇っています。
移りゆく流行語
「バッチグー」の誕生から5年ほど経ち、新たな若者言葉が生まれました。それが「チョベリグ」です。「チョベリグ」とは「超ベリーグッド(very good)」の略で、「最高!」という意味です。
この「チョベリグ」という言葉は、意味や使い方は「バッチグー」と非常によく似ていたものの、世間の認知度にはかなりの差がありました。「バッチグー」は広い世代に普及してたのに対し、「チョベリグ」はおもに若者が使っていました。
「バッチグー」と入れ替わるように誕生した「チョベリグ」ですが、こちらも現在ではあまり聞かれないようです。