「悠長」の意味
「悠長」は、「ゆうちょう」と読みます。意味は、「ゆったりと構えていて気の長い事・のんびりとして急がないこと」です。「悠長」であることは状況によって良いことでもあり、悪いことにもなります。
「悠」は、訓読みで「はるか」と読み、「どこまでも続くさま・気分がゆったりしているさま」という意味を持ちます。「長」は、「ながい」や「たける」などの読みがありますが、「ながい」は「時間的・物理的に長いさま」、「たける」は「秀でているさま」を指しています。
「悠長」の使い方
「悠長」は、名詞と形容動詞として使います。名詞の場合は「悠長な態度」や「悠長な声」というように、形容動詞の場合は「とても悠長だ」となります。
例文
- 彼女の悠長な声はコンサートホール全体に響き渡り、私の心をも癒してくれた。
- みんなが何かに追われるように仕事に打ち込んでいる世の中だからこそ、悠長に構えることも必要になるのではないだろうか。
- 葉巻に火をつけて読書にいそしむ彼の姿は、まるで絵画のようでとても悠長だ。
- 仕事の区切りがついたら食事に行こうと上司に誘われたが、正直そんな悠長なことを言っている場合ではない。
- グループワークで皆がせかせかと課題に取り組む中、彼は1人悠長にしていたので思わず活を入れてしまった。
1~3の例文では悠長な事がプラスに働き、4~5の例文では逆にマイナスに働いています。
「悠長」の類語
「呑気」
「呑気」は、「のんき」と読みます。意味は、「気分や性格がのんびりしていること・心配性でないこと」です。実は、「呑気」は当て字で、本来は「暖気」と書きます。しかし、「暖気」は「だんき」と読むのが一般的で混同してしまうこともあり、「呑気」と記載されるケースが多いです。
【例文】
- 卒業試験が近づいているというのに彼はなんて呑気な人間なんだ。
- 次から次へと注文が来るので、とてもじゃないが呑気になんてなれない。
- 彼女がとても呑気にしているので、研究が終わったのだと思っていたら諦めただけだった。
「気長」
「気長」は、「きなが」と読みます。意味は、「気の長い事・性質ののんびりしていること」です。「気長に待ちましょう」や「気長にやりましょう」など、相手に余裕を持たせる場合によく使います。時には気長に待つ事で、腹を立てることなく相手のペースを知る事ができます。
【例文】
- 行く末の分からない研究ですがそれだけに面白い。まあ気長にやっていきましょう。
- あまり小言を言っても彼を焦らせるだけなので、気長に待つことにした。
- 私は店に行列が出来ているとそれだけで嫌になるのだが、その状況を気長に待てる人はすごいと思う。
「悠長」の関連語
「悠長」の関連語として「性急」と「短気」を紹介します。この2つは「悠長」とは反対に近い意味を持つ熟語で、辞書によっては明記されている場合もあります。
「性急」
「性急」は、「せいきゅう」と読みます。意味は、「気短で落ち着きがないこと・せっかち」です。また「物事の進め方が急なこと」という意味もあり、ビジネスシーンにおいて「性急な結論は控える」は決まり文句の1つとも言えます。
【例文】
- この問題は重要かつ影響力が強いので、結論は慎重に。間違っても性急な結論は出さないで欲しい。
- 彼女は物事を性急な判断で以て決定するため、何かとミスが多い。
- 彼は性急な性格の持ち主なので、いつも物事に対しては慎重になるように教えている。
「短気」
「短気」は、「たんき」と読みます。意味は、「気短(きみじか)なこと・辛抱が出来ずにすぐ苛立つこと」です。「短気」と聞くとすぐに怒り出す人、現代風に言えば「キレやすい人」を思い浮かべます。どっしり構えている「悠長」とは反対の状態です。
【例文】
- 彼はとても短気な性格で、少し気に入らないことがあるとすぐに周りに食って掛かる。
- 彼女が短気なことは周知の事実なので、みんななるべく関わらないようにしている。
- 彼女はもう少し冷静になれば良い結果を残せるのに、まさに短気は損気とはこの事だ。
※「短気は損気」とは、「短気を起こすと自分が損をすることになる」という意味の慣用句で、専ら短気な人をなだめたりする場合に使用します。