「シンフォニー」とは?意味や使い方をご紹介

クラシック音楽をよく聴く方なら、「シンフォニー」もしくは「交響曲」という言葉を耳にする機会は多いでしょう。「シンフォニー」から派生した意味もあり、そちらの意味で使うという方もいるかもしれません。この記事では、「シンフォニー」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「シンフォニー」の意味とは?
  2. 「シンフォニー」の使い方
  3. 「シンフォニー」の類語:渾然一体
  4. 「シンフォニー」豆知識

「シンフォニー」の意味とは?

意味①交響曲

「シンフォニー」(英語:Symphony、ドイツ語:SinfonieまたはSymphonie)は、日本語でいうクラッシック音楽の「交響曲」のことです。イタリアで始まった音楽形式で、オペラの序曲シンフォニア(Sinfonia)が独立したものです。18世紀中期に形式が確立しました。

【交響曲の定義】

  • オーケストラ(弦楽器、管楽器、打楽器などで作った大きな編成の楽団)で演奏
  • 原則として第1楽章~第4楽章の4つの楽章の構成(楽章は1つのまとまりになった曲)
  • 楽章のうちのどれか1つはソナタ形式(ソナタ形式:古典派の基本形式で、曲が提示部、展開部、再現部と移り変わるパターンの曲)

【各楽章の傾向】
  • 第1楽章がアップテンポ
  • 第2楽章はスローテンポ
  • 第3楽章は舞曲(舞踏のリズムを取り入れた曲)
  • 第4楽章はクライマックスに向けて勢いが盛んになった大仕掛けの曲

ただ、この定義はクラシック古典派の形式に従った形で、近現代以降に作曲された場合は定義から外れている場合もあります。

意味②いろいろな物事が作用しあう様子

「シンフォニー」を演奏すると、弦楽器、管楽器、打楽器などの様々な種類の楽器の音が混じり合って、複雑な音色を響かせ合います。そのようなところから、いろいろな物事が作用しあっている様子影響しあったものが完成する様子を表します。

「シンフォニー」の使い方

交響曲

「曲」を表す際にシンフォニーではなく、日本では「交響曲」が使われます。また、曲名を挙げる際には、専ら○○作曲の「交響曲〇〇番」といった形で使用されます。

いろいろな物事が作用しあう様子

「シンフォニー」は、数々の異なる物事を一緒にした際に使われます。多くの楽器で編成された素晴らしい演奏とかけて、それぞれの物が混じり合って一体となり一定の効果をもたらしたことを表します

【例文】

  • さまざまな光と音と映像のシンフォニーで、壮観のライトアップとなった。
  • 古代から近現代の美術作品のシンフォニーで、素晴らしい展覧会となった。

「シンフォニー」の類語:渾然一体

「渾然一体」(こんぜんいったい)とは、その場にある全てのもの、複数のものが溶け合って区別がつかなくなる状態のことを言います。「渾然」は、異なったものが溶け合って分かれずにまとまっていること、「一体」は、一つに固まった様子のことです。

一体となるという意味では「シンフォニー」とよく似ていますが、「渾然一体」では、どのような効果があるかという点には言及していません。なお、「混然一体」と表記する例もあります。

【例文】
食材の持つ甘みや辛みが渾然一体となって、面白い料理に仕上がっている。

「シンフォニー」豆知識

誰が「交響曲」と翻訳したか?

「交響曲」は、日本独特の音楽用語なので、他国では通じません。作家であり軍医でもあった森鴎外が、「シンフォニー」を「交響曲」と和訳しました。

ドイツへの留学中に音楽に触れる機会があり、多くの音が交錯して響かせあって素晴らしい曲になることから「交響曲」という字を当てたようです。

他に「協奏曲」(コンチェルト)、「奏鳴曲」(ソナタ)といった音楽用語の和訳も森鴎外によるものです。

「シンフォニー」と「ハーモニー」は同じ意味?

「シンフォニー」と「ハーモニー」は、色々な物が作用して良い効果を生み出す点で、同じ意味ではないかと考える方もいます。しかし、「ハーモニー」は「調和、和音、和声」という意味を持ち、音楽用語から考えると少し違いがあるようです。

「調和」は、複数のものの様子が釣り合い、バランスが整っていることです。音楽用語の「ハーモニー」は、「和音」(原則として2音~3音の高さの異なる音が同時によく響くこと)や「和声」(曲の進行に合わせて、様々な旋律が合わさり和音が変化すること)を意味します。

「シンフォニー」は、色々な楽器の音が響き合うのに対し、「ハーモニー」は複数の高さの音が響き合うことになりますね。


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