「チーミング」とは?
「チーミング」(Teaming)とは、「本来チームを組むように設計されていないゲームにおいて、ルールを無視してチームを組む行為」という意味のゲーム用語です。
「Teaming」そのものは「チームを組むこと」という意味の英単語です。しかしゲーム用語としては、上記のように「不正に、ルールに逆らってチームを組むこと」という意味で使用されますのでご注意ください。
「チーミング」は、定められたルールの中で公平にゲームを楽しんでいる一般ユーザーからすると迷惑きわまりない行為であるため、アカウント凍結(BAN)やゲーム運営者への通報(レポート)の対象となることがしばしばです。
「チーミング」というゲーム用語の使い方
- ソロモード(1人で戦うモード)のはずなのに、同じ車に4人も乗っていて、全員結託して攻撃してきた。明らかなチーミングだ。
- 不運にも2人のプレイヤーに前後を挟まれて負けてしまった。やけにうまく連携してくるように見えたが、観戦(※)してみると2人が仲良く行動していて、チーミングが発覚した。
- ふざけてやったとしても、チーミングは不正です。運営に通報しておきます。
※「観戦」…敗北後、自分に勝利したプレイヤーの視点(画面)を鑑賞できる機能のこと。観戦画面を見ることによりチーミングなど不正行為が発覚することもある。
隠語で「T」と呼ばれることも
ややまれな言い方ですが、「チーミング」はその英語の頭文字を取って「T」と呼ばれることがあります。
「チーミング」と呼ぶとただちに不正行為(の成立)を宣言しているニュアンスがあるため、「チーミングの疑いが濃厚だが偶然かもしれず、100%の断定ができない」といった場合に隠語的に「T」が使われます。
「チーミング」の例
どんなゲームで「チーミング」が行われる?
「チーミング」の概念はさまざまなタイトルやジャンルのオンラインゲームに存在しますが、中でも問題とされることが多いのは「バトルロイヤル形式」のゲームです。
バトルロイヤル形式とは、簡単に言えば「自分以外のプレイヤー全員が敵、最後の1人になるまで戦う」というゲームスタイルです。
そのようなゲームにおいて、本来敵として戦う者同士が結託し共闘する「チーミング」は想定されたゲームバランスへの影響(公平性への侵害度)が大きく、問題となりやすいのです。
比較的よく知られているバトルロイヤル形式のゲームとしては、『PUBG』『フォートナイト』『荒野行動』などが挙げられます。
どのように「チーミング」が行われる?
「チーミング」は、例えば友達同士などがソロモード(1人で戦うモード)のひとつのゲームに参加し、外部のコミュニケーションツールなどで通話しながら連携するといった方法が取られます。
ソロモードの場合、任意の相手とマッチングする機能は原則としてありません。しかし、同時刻に「せーの」でマッチングを開始することにより、一定の確率で同じゲームに参加することができてしまうのです。
また、友達同士でなくても、見ず知らずのプレイヤーとゲーム内で意気投合し、敵として戦うルールでありながら結託してプレイする行為も当然「チーミング」にあたります。
「チーミング」の何が問題か?
例えば「1人で戦うモード」で、2人が協力してプレイをすると、戦闘の面でも物資の面でも、人数が多いほうが明らかに有利です。ルールの枠組みを超えて利を得る行為は、公平性の面で問題です。
また、他のプレイヤーはルールに則り「全員が1人で戦う」という前提に立ってプレイしているわけですから、有利不利はさて置いても、チーミング行為自体がゲームの参加者全員に混乱を生じさせます。
もし友達と一緒に遊びたいということであれば「2人モード(デュオ)」「4人モード(スクワッド)」などの規定モードに参加すればよく、「1人モード」でチーミングを行っている時点で、故意に不正を行っているという指摘を免れることはできません。
「チーミング」のグレーゾーン
「チーミング」はほぼすべてのゲームで禁止行為として規定されていますが、実際上、ある程度まではジョーク(おふざけ)プレイの一種として許容されているという見方もあります。
例えば、無抵抗な敵プレイヤーを一時的に見逃したり、車に乗せて一緒に移動したり、話しかけてお互いに即興のドラマを演じるといったプレイングは、見方によっては「チーミング」ですが、「面白プレイ」の一種として受け入れられる節もあります。
どのような「協力」のありかたがチーミングにあたるのか、「おふざけ」との境界にはグレーゾーンもあるというわけですね。
ただしチーミングに限らず、不正を疑われないためには、「露骨でなければ許される」ではなく、「疑われるような行動はあらかじめ避ける」ことを念頭に置いておくべきでしょう。