「不本意」の意味
「不本意」とは、「本来の自分の意思とは異なること・本来あるべき姿ではないこと」という意味です。「本意」とは、「本来の意思・真意・本来あるべきさま」を指し、この意を「不」という漢字を用いて打ち消しています。
「不本意」の使い方
「不本意」は、さまざまなシチュエーションで用いられます。意思とは異なる状態に対する怒りや憂いの気持ちを表す時や、相手への断りの文章などにも利用されます。やや固い表現ですので、ビジネスシーンで多用されるイメージもあるでしょう。
「~は不本意だ」のように使われることもあれば、「不本意ながら~」「不本意ですが~」と用いる場合もあります。感情のニュアンスは文脈によって少しずつ異なりますから、それを見極めることが大切です。
例文
- 今年の大学受験は不本意な結果に終わってしまった。
- 実験が私のミスによって失敗したと思われていることは不本意この上ない。
- 不本意ながら、今年のマラソン大会は中止にせざるを得ない。
- 会社で生き残るためには、不本意ながら今回の人事異動を受け入れるしかない。
「不本意」の類語
「やむなく」
「やむなく」は、漢字で「止むなく・已むなく」と書きます。「仕方なく・やむを得ず」という意味で、「他に手段がなくどうしようもない」様子を表しています。
「やむなく」は他に選択肢がない状態を表すため、強制の度合いが強い言葉ですが、「自分の意思に反して」という意味における類語と言えます。
【例文】
- 大学に行きたかったが、家庭の経済状況を考えてやむなく就職することにした。
- 研究成果には納得していなかったが、研究費の関係でやむなく締めくくることになった。
- 配送料がこんなに高いとは知らず困惑したが、やむなくお金を払って商品を受け取った。
「心ならずも」
「心ならずも」は「自分の本心ではないが・不本意にも・無意識なさま」といった意味があります。「不本意」とは近い言葉で言い換えとして利用することもできます。
【例文】
- 歌舞伎役者の家系に生まれた私は、心ならずも歌舞伎の世界で生きていくことを決めた。
- 同窓会に一緒に来てほしいと言われ、心ならずも参加することになった。
「渋々」
「渋々」は「心の進まないさま・嫌々ながら」という意味があります。自分の思いと異なることをやっている、好きでもないことをやらされる、という場面に使うことができます。「不本意」よりもカジュアルな印象のフレーズで、より広く使われる傾向にあるでしょう。
【例文】
- 上司から新入社員の教育係をするように命じられ、渋々ではあるが引き受けた。
- 夏休みでゲームばかりしていたら、勉強しろと叱られたので、渋々机に向かった。
- 朝が弱いので朝練は苦手なのだが、大会が近づいているため渋々参加した。
「不本意」を英語で
「不本意ながら」は英語で、「Reluctantly」や「against one's will」などと表すことができます。
【例文1】
- I reluctantly decided to start working in a factory next year following the company's resignation.
- 訳:不本意ながら会社の辞令に従って来年から工場勤務をすることになった。
【例文2】
- He reluctantly agreed to the judgement.
- 訳:彼は不本意ながら判決に了承した。